阪神・高橋遥人 背番号「29」取り戻す 来季から育成契約も…地元・静岡で決意新た「一番下から頑張る」

[ 2023年12月30日 05:15 ]

子どもたちに笑顔で指導する阪神・高橋(撮影・椎名 航)
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 今オフに育成契約となった阪神・高橋遥人投手(28)が29日、背番号「129」から来季中に「29」を取り戻す決意を示した。昨年4月に左肘手術を受け、現在は今年6月に受けた左尺骨と左肩手術のリハビリ中のサウスポー。故郷の静岡市で行われた「プロ野球静岡県人会2023 野球教室&ミニトークショー」に参加し、同郷の先輩・岩崎優投手(32)からは“静岡リレー”を熱望された。

 最高気温14度と、年末としては異例の暖かさとなった静岡市の草薙総合公園硬式野球場。高橋は上着を羽織らず、ユニホーム姿で登場した。背中には変更前最後の「29」。少年少女と約3時間交流し、来季へ決意を新たにした。

 「もう、結果を残すしかない。番号とかは関係ないし、一番下から頑張って、みんなを追いかけていきたい」

 11月に28歳となり、来季は7年目。入団から周囲を圧倒するポテンシャルを発揮してきた一方で、常に故障がつきまとう。昨年4月に左肘の内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、現在は今年6月に受けた「左尺骨短縮術」と「左肩関節鏡視下クリーニング術」のリハビリ中。育成契約に切り替わった来季から、背番号は3桁の「129」になる。それでも、目は死んでいない。

 既にブルペンにも複数回入り、「痛みとかは全然ない。あとは(患部の)可動域がどれくらい戻ってくるか」と復活に向けた現状を明かした。尊敬する同郷の先輩・岩崎は「結構ナヨナヨした性格ですけど、そこ(完全復活)に関しては強気」と評し、同じ試合で投げたい気持ちは「もちろんです」と強調。来季の“静岡リレー”を熱望された高橋が、その期待に応える。

 1軍の公式戦で過去44試合に登板。岩崎はそのうち15試合に同日登板し、“師匠”と3試合に1度のペースでリレーを演じてきた。11月に甲子園で開催された「ファン感謝デー」で行われた軟式球を使った試合では、岩崎の計らいで久々に聖地のマウンドへ上がり、大観衆の拍手喝采を浴びた。「岩崎さんの前で投げられるように、また元に戻れたら」と言葉に力を込めた。

 イベントの最後のあいさつ。集まった180人の子供たちの前で「来年は、たくさん僕の姿をテレビで見せられるように頑張ります」と宣言した。「また(29番に)戻れるように大事に保管しておきます」。29は来季は空き番号。しばしの別れを経て、逆襲ののち、このユニホームに再び袖を通す。(石崎 祥平)

 《原口、才木ら》○…阪神の支配下選手が育成契約を経て復帰した例として、近年では才木がいる。20年11月に右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けて育成選手契約に。22年5月に支配下選手に復帰し、背番号は121から入団時の35に戻った。また、原口は腰の故障の影響で12年オフに育成契約となり、背番号は52から124に。16年4月に背番号94で支配下選手に復帰した。

 ▽高橋の甲子園サプライズ登板 11月25日、ファン感謝デー内の野球対決で監督役の岩崎の計らいで実現した。21年11月6日の巨人とのCSファーストS第1戦以来749日ぶりに聖地で登板=写真。打席の高浜を相手に2球を投じ、「いいボールを投げられた。景色も良かった。来年はマウンドに立てるように」と話した。岩崎は「(サプライズ起用を)できたらいいなと思っていて、(周囲に)相談して」と経緯を明かした。

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