熊本国府が初優勝 1失点完投の坂井「まずは神宮で1勝したい」

[ 2023年11月4日 06:00 ]

秋季高校野球秋季大会決勝   熊本国府5ー1明豊 ( 2023年11月3日    久留米 )

<明豊・熊本国府>初優勝を決め、マウンド付近で歓喜の輪をつくる熊本国府
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 決勝が行われ、熊本国府(熊本1位)が4年ぶり3回目の優勝を狙った明豊(大分1位)を5―1で下し、九州大会初優勝を果たした。先発の坂井理人(2年)が1失点完投。打線は2回に3点、8回にも2点を加えた。熊本国府は15日開幕の明治神宮大会に出場する。大会は来春の選抜出場校の選定で重要な参考資料となる。

 8季ぶり6回目の出場で初めて4強入りした熊本国府が決勝も突破し初優勝を遂げた。「私自身もびっくり。4試合目で選手は疲労の極致なのに気持ちでカバーしてくれた」。30歳の山田祐揮監督も選手のたくましい成長に息をのむ思いだ。

 堅い守りが光った。ヒット性の当たり8つを含め内野ゴロアウトが15個。明豊打線の強い打球を内野手はことごとく好処理し球際の強さを発揮した。7回先頭打者の中前に抜けそうな打球をダイビング好捕した遊撃・山田は「普段から命を懸けるぐらい突き詰めて練習しています」と積み重ねを強調した。グラウンドは学校から車で片道40分の合志市にあるため時間が足りず練習はいつも2時間だけ。「ほとんどが守備。走者を置いた実戦シート打撃で鍛える」と指揮官。研ぎ澄ました集中力が決勝でも花開いた。

 負けられない理由もあった。元部長で相談役だった森宏さんが8月に84歳で死去。野田主将は「森先生を甲子園に連れて行こうと一致団結した。優勝はその結果」と恩返しに胸を張った。堅守に守られ投げては背番号1の坂井が準決勝の植田に続き「負けられないと気合が入った」と1失点完投。オリックス・山本にあこがれる右腕は「まずは神宮で1勝したい」。自信と経験を深めて来春の選抜に臨むつもりだ。 (中島 泉)

 〇…明豊は19年秋以来4年ぶり3度目の優勝を逃した。川崎絢平監督は「相手の球際の守りがよかった。それをこじ開けるには打力が足りなかった」と熊本国府の堅守を認めた。左投手の大堀が先発したが2回に4安打を浴びて3失点。打線は低めの球を打たされて内野ゴロの山をつくり、9回に1点を返したが遅すぎた。一方的な敗戦に「相手の力が上だった」と指揮官は唇をかんだ。

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