工藤公康氏 ソフトバンクで甲斐拓也を育てた日本一の監督術「たくさん失敗しなさい」

[ 2023年10月6日 19:51 ]

対談したラミレス氏(右)と工藤氏
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 元DeNA監督のアレックス・ラミレス氏が自身のYouTube「ラミちゃんねる」を更新。元ソフトバンク監督の工藤公康氏(60)をゲストに招き、監督論を熱く交わした。

 監督7年で5度日本一の名将。工藤氏に対して、ラミレス氏は「常勝チームを作るために大金で大物やFA選手を集めるのではなく、2軍、3軍からスター選手を育て上げた」と指摘した。

 ラミレス氏は工藤氏が育てた選手の中で「大好きな1人は甲斐拓也選手」と、育成契約からWBC日本代表に上り詰めた捕手の名前を挙げた。

 工藤氏は「一芸に秀でるのがプロ野球においては大事だと思っている」と切り出した。

 甲斐は肩が強い、捕ってから投げるのが速い、止めるのがうまいと評価されていたが、打撃の部分は足りなかった。

 それでも工藤氏は「打撃は1軍を経験しなければ分からない。打てないのは分かっているが、しっかり捕れて、セカンドをアウトに出来るだけで十分1軍でやれる」と甲斐の昇格を決めた。

 結果的に甲斐は乾いたスポンジのように1軍レベルの野球を吸収していく。

 工藤氏は「成長ってのは打撃にしても配球にしても1軍でやりながら。失敗するだろうけど失敗しなければ成長しない」と言い切った。

 頷くラミレス氏に、工藤氏は「僕の考えはたくさん失敗しなさい。その中から自分が成長していく過程を踏んでくれることが何より大事」と明かした。
 

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