西武・山川 147日ぶり肉声「本当に申し訳ない」支えてくれた妻に感謝 9日フェニックスLで実戦復帰

[ 2023年10月6日 05:30 ]

報道された自身の行いについて謝罪する山川(撮影・白鳥 佳樹)
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 強制性交の疑いで書類送検され、無期限の公式戦出場停止処分中の西武・山川穂高内野手(31)が5日、9日から宮崎で行われる秋季教育リーグ「フェニックス・リーグ」への参加が決まった。埼玉県所沢市の球団施設で、問題が発覚した5月11日以来147日ぶりに取材対応。期待を裏切ったファン、球団関係者らへ謝罪し、5カ月ぶりの実戦復帰へ初心で臨む決意を口にした。

 約30人の報道陣の前に練習着姿で現れた山川は、まず5秒間、深く、深く頭を下げた。「今回、私の私生活の至らなさが原因で、ファンの皆さま、球団関係全ての皆さまに多大なる迷惑をかけてしまい、本当に心からおわびしたいと思います。本当にすみません」。何よりも自らの口で発したかった謝罪の言葉だった。

 取材対応するのは5月11日以来。一人一人の質問相手に正対して真摯(しんし)に答えた。28分間で「本当に申し訳ない」という言葉を7度も繰り返した。今回の取材対応はフェニックス・リーグでの実戦復帰の決定と、不起訴処分、球団の処分を受けて自ら希望。「自分の口からしっかり謝罪をしたいと球団にお願いしました」と一連の問題への最初のけじめの場とした。厳しい意見にも目を向け「全ての意見を真摯に受け止めてやっていく。それだけしかない」と話した。

 試合出場から離れた約5カ月間。現役引退という思いも「正直、ありました」と明かした。それでも「僕には野球しかない。やっぱり野球で取り返すしかない。もう一度野球をやらせてもらえるのであれば、精いっぱい頑張りたい」と踏みとどまった。

 最も支えになったのは麻衣子夫人だった。富士大時代の1学年先輩で、女子ソフトボール部だった夫人とは17年8月に結婚。「叱られたが、それでもその後毎日、頑張ってと言ってくれた。妻はこんな僕でも以前と変わらず優しく接してくれました」と感謝した。

 3軍で汗を流す日々では、若手の姿で初心に返った。「本当に目がキラキラしていた。これから1軍を目指して頑張っている選手を見ると、プロに入った時の気持ちになった」。9日からはその若手とともにフェニックス・リーグに参加し、全18試合に同行し、野球と向き合う。

 「夢を与える仕事というのを再認識しないといけない。もう身勝手に自分だけの夢ではないと改めて感じた」と山川。初心に返って再出発を迎える。(福井 亮太)

 ▽山川の問題経緯 5月11日に文春オンラインが、知人女性への性的暴行で被害届が出ていると報道。同日のロッテ戦にフル出場も翌12日に「総合的に判断してコンディション調整」で出場選手登録を抹消された。同23日に警視庁麻布署が強制性交容疑で書類送検も、8月29日に東京地検が嫌疑不十分により不起訴処分を決定。9月4日に球団が1、2軍公式戦無期限出場停止の処分を発表した。

 【山川に聞く】

 ――一連の流れをどう受け止めているか。
 「やってしまったことが大きいことになりましたし。当然のこと、致し方のないことかなと思っています」 

 ――女性側と示談があったか。
 「示談はないです。詳細はお相手の方もいますので、ここで個人的な感想、意見などは差し控えさせていただきたい」 

 ――チームは5位。どう受け止めたか。
 「試合は毎日、見ていました。申し訳ない気持ちで見るしかなかったし、悔やんでも悔やみきれないことをしてしまったという思いで見ていました」

 ――厳しい世論。目にすることは?
 「目をそらすのではなくて、全部見て、真摯に受け止めて、これからの取り組みにつなげていくしかない。全ての皆さんの許しをもらえるとも思っていない。信頼を回復していくには時間も必要。ただ、時間が解決するとか思うのではなく、一つ一つ、これまで以上に真摯に対応していくべきだと思っています」

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