巨人・浅野プロ初マルチ「一番好きな打順」王貞治以来、高卒1年目64年ぶり1番スタメン

[ 2023年9月1日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0広島 ( 2023年8月31日    岐阜 )

<巨・広>5回、浅野は安打を放つ 撮影・西川祐介)
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 巨人のドラフト1位・浅野翔吾外野手(18)が31日、岐阜・長良川球場での広島戦にプロ初の1番で出場し、初マルチとなる2安打1得点で2―0勝利に貢献した。高卒1年目の1番スタメンは、球団では1959年の王貞治以来64年ぶり。1600年関ケ原の戦いで東軍の先鋒(せんぽう)を任され岐阜城を攻略した戦国武将・浅野幸長(よしなが)と同じ姓を持つ若武者が、巨人軍の先鋒として連敗を2で止め、CS争いに踏みとどまった。

 大きな月と金華山にそびえ立つ岐阜城。長良川球場からは幻想的な風景が見えていた。そこで輝いたのはドラフト1位・浅野だった。プロ初の1番に座り、初回に左前打で出塁。若武者が先陣を切り、その後無死満塁から坂本の中犠飛で決勝のホームを踏んだ。

 「初回に出塁して流れをつくれればと思って打席に入った。自分の持ち味を生かせた」

 カウント1―2と追い込まれながら、床田の低めの変化球に対応した。5回には右前打を放ち、プロ初のマルチ安打をマークした。この日は一年で月が最も地球に接近し、最も大きく輝いて見える「スーパームーン」と、ひと月に2度目の満月の「ブルームーン」が重なった10年1月以来13年ぶりの「スーパーブルームーン」。「お城と、めっちゃきれいだった」という18歳が光った。

 背番号51をつけ、師と仰ぐイチロー氏(元マリナーズ)の代名詞である「1番・右翼」に座った。高松商、U18日本代表で慣れ親しんだ打順でもあり「一番好きな打順。多く回ってくるし、一番注目してもらえる打順だと思う」と持ち味の積極性が何より生きた。

 時は1600年。天下分け目の関ケ原の戦いが、岐阜県を主戦場として行われた。その際に徳川家康を総大将とした東軍の先鋒の一つに任命されたのが、浅野家15代当主・浅野幸長。岐阜城を攻め落とすなど、西軍を打ち破る活躍をしたと伝えられている。徳川家康に重用された浅野幸長のように、バットで先陣を切り開いていった。抜てきした原監督も「非常にレベルも上がってきたし、見事に期待に応えてくれた。スピードもあるし、唯一ないのは経験値という部分」とうなった。

 巨人軍の先鋒として連敗を2で止め、試合のなかった3位DeNAとは2ゲーム差と、CS争いに踏みとどまらせた。「少ないチャンスをものにしないと1軍に定着できない。今日みたいに結果を残せるように」と浅野。野望に満ちている金の卵が、苦しむチームを明るく照らした。(小野寺 大)

 ≪思い出の地で巨人初スタメン、松田ハツラツ≫滋賀県出身で岐阜の中京商(現中京)出身の巨人・松田が「6番・一塁」で移籍後初スタメン。高2夏に甲子園出場を決めた思い出の球場に「プロで戻ってこられてうれしい」と話したが、3打数無安打だった。それでも一塁守備では3回1死一、二塁で小園の強烈な打球をジャンピングキャッチ。「勝てたし、兄家族もジャイアンツのユニホーム姿を見てくれたと思うので良かった」と喜んだ。

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