【赤星憲広氏 走塁塾】一塁走者 ターゲットが「三塁」と「本塁」では走るコースが違う

[ 2023年7月25日 08:00 ]

赤星憲広 走塁塾
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 阪神OBで本紙評論家の赤星憲広氏(47)が野球少年少女や指導者に走塁技術を指南する「走塁塾」(毎月第4火曜日掲載)。第4回は「一塁走者の走路編」です。盗塁王5度、通算381盗塁のスペシャリストが語る極意とは…。同氏がオーナーを務めるレッドスターベースボールクラブ協力による動画も必見です。

 例えば、一塁走者が<1>2つのベースを進塁する時と<2>3つ進塁する時に走るコースは違います。<1>は、打者が右前打もしくは中前打を放って三塁を狙う時などです。一塁走者がもっともスピードを出さないといけないのは二塁から三塁までです。なので二塁ベースは少し前からやや膨らんで、二塁ベースを蹴ってからはMAXの速度で、かつ、一直線に三塁ベースを目指します。

 一方、<2>は、打者が右中間もしくは左中間への長打を放った時に、一塁から本塁まで生還を狙う時などです。この場合に一塁走者がもっともスピードに乗らないといけないのは三塁から本塁の間です。なので、ここで本塁まで行けると判断した時は三塁を回るときに手前で少し膨らんで、三塁ベースを蹴ってからMAXの速度で一直線に本塁を目指します。必然的に<1>と<2>では二塁ベースを回る時と、二・三塁間の走路は違ってきます。これを打者が打った時、つまり走者が走り始めた時に瞬時にイメージしなければいけません。プロ野球の選手でも必ずしもみんなができているというわけではありません。

 ちなみに…。理論上では直線で二塁まで行って直角に曲がって直線で三塁まで進むのが一番速い…。ボクは社会人時代にそれができないかと本気で考えたことがあり、練習もしたのですが、やっぱり90度のターンをしようとすると、どうしてもスピードが落ちてしまいタイムは余計にかかってしまいました。なので、あきらめました(笑い)。

 実はボクが現役の頃(01年~09年)と、今はベースの厚さが違うんですよ。少し薄くなっている。以前はベースの側面を踏んでいました。側面を踏むと、踏んだ足が次の塁を向いているので膨らみも小さくしやすい。でも今は薄いので側面だと踏みにくいし、足をひねりそうで無理にはお薦めしません。負傷しないように気をつけてほしいです。

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