中畑清氏　将来30本、40本…巨人・秋広＆岡本の大砲コンビに夢

巨人の秋広
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　【キヨシスタイル！】もし秋広がいなかったら巨人はどうなっていたんだろうね。考えたらゾッとする。坂本が戦列を離れ、岡本和の不振が続いても、何とかギリギリのところに踏みとどまっていられるのは彼のおかげ。完全にチーム浮沈のカギを握る存在になっている。

　高卒3年目にしては大人びた打席でのたたずまい。しっかりボールを見極め、これという球が来たらフルスイングする。23日のDeNA戦、4試合連続となる一発なんて完璧だったね。カウント3―0から山崎が投じた内角151キロの真っすぐ。長い腕をうまく畳んで捉え、体をくるっと回転して右中間スタンドに運んだ。

　このカウントから打ちにいくって勇気がいるんだ。打ち損じたらどうしようなんて思ったらバットが出ない。積極的に振っていく決断力。確実に捉え、最高の結果をもたらす技術。秋広優人というバッターの未来予想図を修正しなきゃいけないな。

　選球眼が良くて柔軟性がある。2メートルの長身ながらアベレージヒッターのイメージだったんだけど、ここに来て変わった。23日の一発がそうだったように打球が高く上がってなかなか落ちてこない。打球の軌道が「ホームランアーチスト」と呼ばれた田淵幸一さんに似てきたんだ。球宴前の神宮のヤクルト戦ではライトのサンタナが見失うホームランもあったよね。

　フォローが大きく、遠心力を使っているからこその高弾道。5月下旬から不動の3番打者として試合に出続け相手のマークが厳しくなる中で3割前後の打率をキープしてるだけでも凄いのにね。しっかり練習してるんだろうな。筋力がアップしている印象を受ける。

　日に日に高まるホームランバッターとしての可能性。すでに王さんも松井秀喜もできなかった高卒3年目での4戦連発をやっちゃったんだからね。現在10本。今年は20本をクリアすればいいとして、近い将来30本、40本を期待できる。岡本和と左右の大砲コンビ…。夢があるなあ。

　最後にお願いしたい。巨人ベンチにね。これだけのバッター。早い回から送りバントなんてさせないでいただきたい。ひと振りで決められる選手なんだから。大きく、でっかく育ててほしい。（スポニチ本紙評論家・中畑　清）