阪神・岩貞、天国の横田慎太郎さんに勝利必ず届ける 25日巨人戦が追悼試合、ドラフト同期入団の縁

[ 2023年7月25日 05:15 ]

13年12月、正月紙面用の撮影で笑顔を見せる横田(左)と岩貞
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 阪神は、夏の長期ロード前最後の本拠地6連戦の初戦となる、きょう25日の巨人戦(甲子園)を、18日に脳腫瘍で亡くなったOBの横田慎太郎さん(享年28)の追悼試合として行う。横田さんと13年ドラフト同期入団で弟のように可愛がってきた岩貞祐太投手(30)が本紙に故人への思いや追悼試合に臨む心境を打ち明けた。

 岩貞は「特別な試合」だと強く意識し追悼試合に臨むつもりだ。

 「半旗を掲げて、喪章をつけてプレーするんですよね。プレーはもちろんですが、ヨコのためにも(これからの試合は)自分たちが気持ちを示していかないといけない。ここ数日間はそんなことをずっと考えていました」

 18日に訃報が飛び込んできた瞬間から感情は大きく揺れている。「亡くなったという記事を見てずっと涙が止まらなかった。身近な人が亡くなってこれだけこたえるのも、あまり経験がないです」。13年ドラフトで1位に岩貞、2位に横田が指名され一緒にプロへの第一歩を踏み出した。

 「何が思い出かなあ、とかいろいろ考えていて。入団会見のヨコを見て、自分も高校3年の時、あんなちゃらんぽらんだったのかなとか思って。ヨコが心配になりましたね(笑い)」。1年目は外出する際も「ちゃんと付いてきてるかな」と何度も後ろを振り返っていたという。2人で選手寮近くの焼き肉店に通ったのも良き思い出だ。

 忘れられない試合として挙げたのが、16年4月16日の中日戦(ナゴヤドーム)。岩貞が先発で梅野とバッテリーを組み、中堅に横田さん、左翼で陽川がスタメン出場を果たした。「あの試合、6番の横田から9番の僕まで下位打線がみんな同期だったんですよね。ヨコが元気だったら今、何番打ってるのかなとか考えたり…」。

 岩貞は岩崎、梅野と1軍ではチーム最年長となった同期3人だから背負えるもの、体現できるものがあると思っている。

 「僕らは10年目としてやっていて、1軍でも最年長。1人で背負えるほどヨコの気持ちは軽いものでもないですし、3人で3等分して背負っていく」

 追悼試合は、そんな決意を秘める3人の再出発でもある。「今まで以上にユニホームを着てプレーできる時間を濃いものにしていかないといけない」。ヨコのために――を胸に。チームの根幹を担う男たちが、天国に勝利を届ける。(遠藤 礼)

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