光泉カトリック逆転負けで初戦敗退 元阪神投手の伊藤文隆監督「勝たしてやらなアカンかった」

[ 2023年7月17日 04:00 ]

第105回全国高校野球選手権滋賀大会2回戦   光泉カトリック5―6甲西 ( 2023年7月16日    HPLベースボールパーク )

光泉カトリックを率いる伊藤文隆監督 
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 光泉カトリックはシード校の甲西に惜敗した。元阪神投手の伊藤文隆監督は、涙声の選手を横目に「選手は一生懸命やった。勝たしてやらなアカンかったなあ…」とつぶやいた。

 7回表を終えて5―2。その裏の守備で選手に焦りが出た。無死一塁から右前の打球に外野手が飛び込んで二塁打となりピンチが拡大。それを起点に4点を奪われて逆転を許した。猛暑の中で行われた試合。終盤に反撃を試みたが、足をつりながらも粘る甲西の選手を前にあと1点が遠かった。

 伊藤監督は1977年ドラフト1位で阪神入り。阪神一筋14年のプロ野球生活で通算320試合に登板し54勝81敗4セーブ、防御率4・43。85年には5勝(5敗)を挙げて球団初の日本一に貢献した。

 指導で大切にしていることは「やりきること」だという。

 「試合でプレッシャーのかかる状況で“緊張するな”という方が無理。それを跳ね返すには、自分がやってきた練習しかないと思う。自分がやった分の、中から出る強さには代えがたいものがある」

 光泉カトリックの監督として迎えた3度目の夏にして、初めて初戦敗退を喫した。69歳の指揮官は後悔の念を口にする。

 「自分の思い切りのなさもあった。事前にもうちょっとはっきりと指示してあげればよかった。リードしたあとも安全策でいけよ、と言っておけばね」

 隣で取材を受けてむせび泣く選手の声を聞き、再び「ホントにつらい…」と漏らした。かつての“職場”だった甲子園に選手を導く挑戦は、またすぐに始まる。

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