牛島和彦氏 ロッテ・朗希はスライダーで狙いを絞らせなかった

[ 2023年7月13日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―3オリックス ( 2023年7月12日    京セラD )

<オ・ロ>3回を投げ終え好守を見せた安田を称える佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 【牛島和彦 視点】この試合の佐々木朗はスライダーが効果的だった。これまでは160キロ超の直球と落差の大きいフォークが配球の軸。だがこの2つの球種は同じ軌道に見えるため、的を絞られやすい。その点、スライダーはリリースした瞬間にボールが少し上に出るような感じでそこから曲がる。目線も変えられるし、打者は対応が難しい。4回には頓宮に165キロでファウルを打たせた後、外に逃げていくスライダーで空振り三振。狙いを絞らせない最高の投球だった。

 伊良部とはロッテで一緒にプレー。MLB移籍後も相談を受けた。プロ入り当初の伊良部は150キロ台後半の直球があっても生かせない。フォークはあるが、直球と球速差がなく空振りが取れない欠点があった。伊良部にはフォークの球速を抑えることも含め“遅い球”を投げるようアドバイス。三振の数が増えていった。当時の伊良部と比較し、佐々木朗はすでに多くのことを身につけている。あえて今後の課題を挙げるとすれば130キロ台の変化球を習得すること。もっと緩急をつけ、球数を抑えた投球ができるようになる。(スポニチ本紙評論家)

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