北別府学さん母校、都城農がコールドで初戦敗退 先発の武田「この悔しい気持ちを忘れない」

[ 2023年7月10日 04:00 ]

第105回全国高校野球選手権宮崎大会1回戦   都城農0―9延岡 ( 2023年7月9日    アイビー )

<都城農・延岡>悔しい表情を浮かべる都城農の坂元主将(左)
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 弔い星ならず――。宮崎大会は1回戦6試合が行われ、先月16日に65歳で亡くなった元広島の北別府学さんの母校、都城農は延岡に0―9の8回コールドで初戦敗退となった。先発した武田俊希(としき)投手(2年)が、4回まで無安打に抑える好投を見せるも5回につかまった。打線も9安打を放ったが、相手の好守備にも阻まれホームが遠かった。

 偉大な先輩に勝利を届けることはできなかった。今年6月に亡くなった元広島の北別府氏の出身校、都城農は8回コールド負けで19年以来4年ぶりの夏1勝を逃した。

 先発したのは背番号11の武田。訃報を知った後に現役時代の動画を見た。通算213勝を挙げ精密機械と称されたコントロールに目を奪われ「自分も身につけられたら」と心に誓って臨んだ。120キロ台の直球に100キロ台のカーブの緩急を生かした投球で、4回までは1四球を与えたのみで無安打に抑えた。「うまくタイミングを外せている」と手応え十分に進んだ。しかし5回、先頭に初安打を許すと、ボールが高めに浮いたところを狙われ4失点を許し降板。「自分の力不足です」と肩を落とした。

 北別府氏の死去後、学校では追悼集会が開かれた。主将の坂元欧介は「全力のプレーを見せよう。自分たちのためにも勝ち上がって、(天国から)勝っている姿を見てもらおう」とチームメートと誓い合っていたが、実らなかった。

 71年夏に一度、甲子園に出場した経験がある都城農。北別府氏が在籍時は74年夏、75年夏のベスト4が最高だった。武田は「この悔しい気持ちを忘れないで。来年は甲子園に行けるように努力していきたいです」と力を込めた。(杉浦 友樹)

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