飛躍誓う虎の「さだまさし」左腕コンビ 岩「貞」祐太と伊藤「将司」が開幕へ“関白宣言”

[ 2023年1月23日 05:15 ]

アスレチックスのTシャツを着てポーズを決める伊藤将(右)だが、岩貞に脇腹をムギュっとされ、あいたたた…(撮影・北條 貴史)
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 阪神・伊藤将司投手(26)が22日、福岡県北九州市内で岩貞祐太投手(31)とともに行っている合同自主トレを公開し、150キロ&シーズン150投球回のダブル到達を3年目の目標に掲げた。加えて、自身初の開幕投手と2年ぶりの2桁勝利を目指すことも改めて宣言。先発陣の柱として確固たる地位を築くべく、さらなる飛躍へ闘志を燃やした。今季から先発に再転向する岩貞も先発ローテーションに定着すれば、猛虎に「さだ・まさし」左腕コンビ誕生!?だ。

 進化への手応えは、既につかみつつある。3年目のさらなる飛躍へ、伊藤将は2大「150」到達を掲げた。

 「去年とまた違った自主トレで、ウエートトレだったりを中心でやっている。球速アップも期待できるのかなと。ストレートが強くなれば三振の数も多くなると思うので。150キロ投げられたらいいなと思います」

 1つ目は150キロ。昨季自己最速を154キロに更新した岩貞との合同自主トレで、「そこまでやってこなかった」という上半身の筋力強化に収穫をえた。「(やってこなかったのは)自分の勝手な思い込みというか、動きにくくなったりとかあるのかなと。この自主トレで上半身の知らないことばかり知れた。そこ(上半身)が強くなってくれているから球速も上がっているかなと思う」。昨季は平均141キロで、最速は147キロ。多彩な変化球を持つが、自らの一番の武器は直球と自認する。大台到達へ、既に行っているブルペン投球でも「去年よりいい感じに上がってきている」とうなずく。

 2つ目は150イニング。球速以上に左腕がこだわるのが、自身初の規定投球回到達だ。昨季は4月のコロナ感染が響き、わずか6回1/3届かなかった。「自分の中で規定達成していないのがすごく嫌。規定に乗らないと防御率だったりも名前が上がってこない。150以上は投げたいですね」。球団左腕で150投球回以上となれば、くしくも16年岩貞以来(158回1/3)。課した目標を達成すれば、キャリアハイの11勝以上も視界に入る。

 スタミナ面の強化を図るべく、春季キャンプでは投げ込み1000球をノルマに設定。走り込みにも力を入れるオフを過ごす。「監督も代わったので、しっかりキャンプからアピールできるように。先発やるからには開幕投手を務めたいので、もちろん狙っていきたい」。先発陣の中核としての自覚を胸に、スタートラインに立つ。(阪井 日向)

《岩貞は先発共闘宣言》 岩貞は2年連続の福岡県内での自主トレに「最高の自主トレをさせてもらっています」と充実の表情を浮かべた。昨オフは元ソフトバンクの馬原孝浩氏に師事し、1年間中継ぎとして戦い抜く基礎をつくり上げた。先発再転向予定の今年も、その場に師は不在ながら、メニューは不変だ。

 「馬原さんがやられているメニューをそのままいただいて。ウエート中心で、キャッチボールもちょっと長めにやったり、例年通りの調整をしています」

 2月のキャンプに向け、今は着々と準備を進めている段階。スタミナ強化を図り、昨春キャンプでは連日入っていたブルペンを、今春は「100球を3日連続で入ったらちょっと休んでとか、(1日あたりの)球数を多く投げていこうかな」と構想中。20年以来の先発登板に向けて「(当時は)試合での好不調が激しかった。リリーフになって特に去年は(好不調が)少なかったので、そういうのを先発で生かせたら」と救援でつかんだ「安定感」を武器にローテーション争いに臨む。

 ともに汗を流す伊藤将については「年齢もちょっと離れている。体力面とかでもついていけるようにと、いい刺激になっている」とし、「シーズン終わってみて、お互い良い成績が残せたら。とにかく貯金にこだわってやっていきたい」と共闘を誓った。絆を深めた「さだ・まさし」コンビがそろってローテに入れば、「アレ」への距離が縮まるはずだ。

 ◇さだまさし(本名・佐田雅志=読み同じ)シンガー・ソングライター、小説家。1952年(昭27)4月10日生まれ、長崎県出身の70歳。72年結成のフォークデュオ「グレープ」時代の「精霊流し」、76年のソロデビュー後は「関白宣言」「防人の詩」、テレビドラマ「北の国から」のテーマ曲、山口百恵に提供した「秋桜」などヒット曲多数。コンサートの曲間に披露する軽妙なトークも人気で、テレビ、ラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍。

《アスレチックスTシャツで藤浪にエール》○…岩貞と伊藤将はこの日、藤浪の新天地アスレチックスのTシャツをそろって着用し、汗を流した。前日21日も甲子園で会見した右腕にチームメートからのサプライズメッセージとして2人で登場したばかり。岩貞は「頑張ってほしいという気持ちで勝手にやりました。活躍するための全てを持っていると思うので、あとは本当に楽しんでというか、個人の挑戦として頑張ってほしい」と改めて激励し、伊藤将も「仲良くもさせてもらっていたので寂しいですけど。メジャーでの活躍を凄く楽しみにしています」とメッセージを送った。

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2023年1月23日のニュース