西武・山川「風船トレ」で世界一奪還へ 剛腕投手に負けないスイング磨く

[ 2023年1月23日 05:30 ]

風船を膨らませながら打撃練習する山川(撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の山川穂高内野手(31)が22日、沖縄・浦添で行っている自主トレを公開した。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパン入りが内定している右の長距離砲は、各国の剛腕投手との対戦で差し込まれないために「風船トレ」を導入。持ち味でもある打撃をさらに強化して世界一奪還に貢献し、地元の沖縄県の子供たちに夢と希望を届ける。

 遊びではない。チームカラーでもある青い風船を口に含んだ山川がバットを構える。風船を膨らませ、腹筋を意識しながらスイング。打球は両翼90メートルの球場の左翼後方に設置された高さ約35メートルの防球ネットに突き刺さった。

 「腹筋の使い方がバッティングでは一番大事。腹筋に息を送り込むことで足の位置がしっかり決まってくる」

 さらなる進化を目指し、専属トレーナーを務める上原光貴氏の提案で導入した「風船トレ」。上原氏は「腹圧がかかることで体の回転速度が上がって飛距離が伸びる」と説明する。昨季41本塁打で3度目のタイトルに輝いたが、今年は開幕直前にWBCが控える。目指すは各国の剛腕の速球に差し込まれない強いスイングだ。独特なトレーニングの効果も感じており「本気で打ったら(防球ネットも)越えちゃう」と笑う。

 バットは先端をくりぬいた「ヤクルト・村上」モデルを使う。長さは昨年までと同じ87センチで、重さは920グラムから15グラム軽くした。芯の位置が下がることによってミート率が向上し「インコースがさばきやすいし、詰まった時もはじきやすい」という。操縦性を高め、海外の投手が得意とする動くボールへの対応も着々と進めている。

 オリックス・宮城、巨人・大城とともにWBCに出場なら沖縄県人初の快挙。この日は知人の息子が所属する少年野球チームを招待。自身の少年時代を回想しながら「(09年WBCの)イチローさんを見て、いつか必ずその舞台に立つと思っていた。最高のプレーを見せ、もっともっと盛り上げたい」と誓う。

 侍ジャパンの世界一奪回へ、右の長距離砲である山川は重要なピースだ。「(野球を始めて)21年間、野球のことしか考えない生活を送ってきた。思いを込めて打席に入りたい」と山川。風船と同様、島人(しまんちゅ)の期待も大きく膨らむ。(福井 亮太)

 《効果的に体幹鍛えられる》風船を使用したトレーニングは体幹を鍛えることに効果的とされ、姿勢の矯正や肺活量を増やすことにもつながるため、アスリートだけでなくダイエットに励む人たちにも取り入れられる。ロッテは16年の新人合同自主トレで骨盤付近の腹横筋を鍛えるために導入。親会社の主力商品にちなみ「風船ガムトレ」と命名された。同年の春季キャンプでは楽天投手陣も導入。ソフトバンク・和田、DeNAの山崎、上茶谷らも同様のトレーニングを行った過去がある。

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2023年1月23日のニュース