勝負のプロ18年目 オリックス T―岡田の大逆襲に期待

[ 2023年1月23日 08:00 ]

オリックスのT-岡田
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 並々ならぬ決意を感じた。19日にほっともっとフィールド神戸で公開されたオリックス・T―岡田の自主トレ。チーム最古参となる18年目のシーズンを迎えたベテランは強化トレーニングで大粒の汗を流し、フリー打撃では1球、1球、確かめるようにバットを振った。

 チームが26年ぶりの日本一となった昨年は、右ふくらはぎを痛めて出遅れ、わずか36試合の出場で本塁打、打率・149、10打点に終わった。プロ5年目の2010年に22歳の若さで本塁打王を獲得した大砲も2月9日で35歳となり、野手では安達と並ぶ最年長。今季はまさに正念場のシーズンとなる。

 昨年、なかなか調子が上げられなかった原因は打席内でのわずかな感覚のズレだった。

 「(踏み出す右足の)かかとが着くのが早いというか、乗っちゃうのが早いというか。乗っちゃうとどうしても横振りになってしまう。本当にちょっとしたところなんですけど…」

 踏み出した右足が地面に着地し、打ちにいくときに、ほんの少し、かかとに体重がかかるのが早いため、体が開いて力が逃げ、思うように打球に力が伝わらない。この日も打ちながら「早い!」と何度も声を出し、ビデオを入念にチェックしていた。逆風だったこともあるが、快音を残し、良い角度で上がったと思われた打球がフェンス手前で失速するシーンが何度かあった。

 まだ勝負の1年を戦い抜く打撃フォームは模索中だと感じた。だが、もがき苦しんだ先に必ず答えを見つけ、アップデートしてきたからこそ、18年目のシーズンがある。

 33本塁打で初のタイトルを獲得した10年、苦しみの中から手に入れたノーステップ打法は革命的だった。現在でもアマチュアの試合では追い込まれた後にノーステップに切り替える選手が多い。ボールをコンタクトしやすい打法として定着している。これもT―岡田の成功があったからこそだと思う。

 主砲の吉田正が抜け、リーグ3連覇、日本一2連覇には必ず生え抜きの大砲の力が必要になるはずだ。「やっぱり打点ですかね。チームに勢いをつけたり、勝ち負けに影響する部分なので」。勝負を決める一撃を―。浪速のゴジラの大逆襲に期待したい。(中澤 智晴)

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2023年1月23日のニュース