23年ドラフトは「大豊作年」だからこそ 候補たちが躍動…アマ野球もチェックを

[ 2023年1月5日 07:15 ]

記者コラム

花巻東・佐々木麟太郎
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 新年早々の話題としては少し気が早いかもしれないが、2023年はドラフトの「大豊作年」と言われている。高校、大学、社会人と各カテゴリーに逸材が多く、ある球団のスカウトは「10年に一度の豊作」と断言する。

 「豊作」と「不作」の違いとは。まずはシンプルに1位候補となる選手が多いかどうか。ドラフト会議に向けて各球団では1位指名候補だけのリストが作成される。他球団と指名がかぶって抽選でクジを外すケースを繰り返すことも想定して、「外れ」、「外れの外れ」、「外れの外れの外れ」といった形で一般的には10人前後の選手の名前を挙げる。在京球団で長くスカウトを務めた関係者は「一概には言えないけど1位候補のリストに挙げる選手はSランクやAランクと表現される選手たち。このクラスの選手を12人以上挙げられる年は“豊作”で、それに満たない年は“不作”という表現になる。仮に13人以上いれば、ウェーバーの順番にもよるけど、2順目でも1位クラスの選手を指名できるわけだから」と説明する。この理論で言えば、今年は現時点で「豊作」と言えるほど能力の高い選手が各世代にひしめいている。

 例えば高校生。昨年末に本紙が報じたように西武が1位候補としてマークしている花巻東・佐々木麟太郎内野手や阪神が1位候補に挙げている大阪桐蔭・前田悠伍投手が筆頭格で、広陵・真鍋慧内野手、九州国際大付・佐倉(人ベンに峡の旧字体のツクリ)史朗内野手の他にも、享栄・東松快征投手や専大松戸・平野大地投手もポテンシャルの高さでは負けていない。

 大学生では155キロ左腕として注目される東洋大・細野晴希投手を筆頭に青学大・常広羽也斗投手や慶大・広瀬隆太内野手、上武大・進藤勇也捕手など投打に逸材がずらり。社会人にも、圧倒的な打撃センスを誇るENEOS・度会隆輝外野手ら即戦力と評価される注目選手が多い。

 名前を挙げた以外にも、冬を越えて各世代の大会でプロスカウトの評価を急上昇させるニュースターが誕生する可能性だってある。3月には春の訪れを告げる選抜も控える。「大豊作年」だからこそ、今年はドラフト候補たちが躍動するアマチュア野球もぜひチェックしていただきたい。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2023年1月5日のニュース