“開幕投手は狙わない” 広島・森下、焦らず右肘の早期完治を優先「離脱しないことが一番大事なので」

[ 2022年12月5日 05:00 ]

広島・森下暢仁
Photo By スポニチ

 広島・森下暢仁投手(25)が4日、来季の開幕投手を狙わない意向を示した。10月下旬に右肘を手術。年間を通しての貢献を主眼に置き、「開幕から1~2週間遅れたとしても離脱しないことが一番大事」として、焦らずじっくり調整を進める。年内は基本ノースロー。本格始動は春季キャンプから…が青写真だ。

 森下はマツダスタジアムでリハビリを終えた帰途、報道陣の質問に答えた。自らの立場と責任を自覚し、今季まで2年連続で名乗りを上げた開幕投手。来春については「間に合うなら目指してやりたい」としつつ、現状は意識外にあると強調した。

 「そこを目指し過ぎても…。(開幕に)1~2週間遅れたとしても、離脱しないことが一番大事なので」

 10月26日に受けた右肘クリーニング手術。先立つ19日には、11月にオーストラリア代表などと強化試合を組んだ侍ジャパン代表を辞退した。参戦後に手術を受けた場合、来季開幕には確実に間に合わない。早期完治と年間を通じた貢献を主眼に置いた判断だった。

 「代表に行きたかったけど、出るとシーズン(開幕)に間に合わない。しっかり治して1年間野球ができたら…と思い、早めに手術させてもらいました」

 体のメンテナンスと患部のリハビリは「順調」に進んでいるという。ただし、感覚を失わないためボールを握ってはいるものの、投げる行為にはまだ至っていない。年内は基本ノースロー。年が明けてキャッチボールを再開する予定だ。

 「投げようとはまだ思っていないです。軽くというかボールは握っているので、普通に投げるのは年明けでいいのかな…と」

 再発防止と故障離脱阻止への強い意志がにじむ。「肘が治ったとしても、肩が固まっていたり、動かないところが出てくる」。そういう状況で無理にキャッチボールして、違う部位に痛みが出ては本末転倒。体調が整うまで自重する意向だ。

 「体が動けば自然にボールは投げられると思う。そんなに焦っていないですし、キャンプで強いというか、それなりの球を投げられたら…という気持ちなので徐々に、徐々に」

 初の大役を射止めるには、一定時期からアピールが必要になる。争いに身を投じることなく焦らずじっくり。狙わずとも、状態が戻れば本命に躍り出る。

続きを表示

2022年12月5日のニュース