ドラフト総括 コロナ影響で支配下指名は8人減の69人 高校生は3年間練習時間に制限

[ 2022年10月21日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2022年10月20日 )

ドラフト1位指名表
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 【ドラフト総括】今回のドラフトは、支配下指名は69人にとどまった。10球団が6位以内で指名を終了するなど、前年の77人に比べて8人減少。スカウトが「目玉という選手がいない」という年でもあったが、特に高校生は新型コロナの影響もあるだろう。

 今の高校3年生は感染拡大が始まった20年4月に入学した世代。野球部の活動を休止した学校も全国で相次いだ。3年間通じて十分な練習時間が確保できず試合で本来のパフォーマンスを発揮できなかった選手は多かったはずだ。

 別のスカウトから「今年だけこんなに不作というのはあり得ない。やっぱり、高校生は練習できなかったんだろうと思う」と同情する声も聞いた。一方で育成は前年の51人を6人上回る過去最多の57人が指名された。現状では支配下で指名する力はないが、素質を買って今後の成長への期待の表れだろう。

 事前に9球団が公表する異例のドラフトでもあった。結果的にこの9球団は公表通りの選手の指名権獲得に成功した。公表しなかったロッテは、楽天との競合で立大・荘司を逃したが、大学日本代表にも選ばれた右腕・菊地を外れ1位で指名。2位以下は内野手を2人、投手2人とバランス良く指名した。

 昨年は3位までに外野手を2人指名した楽天が、一転して支配下6人のうち即戦力投手を5人指名したのも特徴的。投手陣の整備が急務ということが明確に示された。各球団が補強ポイントに合致する選手を手堅く指名できた印象だ。(アマ野球担当キャップ 田中健人)

 ≪12年ぶり60人台≫支配下選手指名は広島、中日が7人で最多。5球団が6人、5球団が5人で選択終了するなど、支配下指名された選手は計69人。現行のドラフト制度になった08年以降の最少は09年の66人で、08、10年の68人に次いで少なく、60人台は12年ぶりだった。

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2022年10月21日のニュース