【スポニチスカウト部(20)】横浜商大・鷲田 春季リーグの雪辱期す巧打の韋駄天

[ 2022年7月5日 06:20 ]

打撃に磨きを掛けてプロ入りを目指す横浜商大・鷲田
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第20回は横浜商大・鷲田亮太外野手(21)。50メートル6秒0の俊足を武器にする左打者だ。課題の打撃のレベルアップに励み、プロのステージを目指す。

 「俊足巧打」の言葉がよく似合う。横浜商大の韋駄天(いだてん)・鷲田は「足を武器に戦いたい」と言うように、50メートル6秒0の俊足が最大の持ち味。加えて、神奈川大学リーグでは3年秋に打率・353をマークしたミート力も兼ね備える。昨年には大学日本代表候補合宿のメンバーにも選出された逸材だ。

 ただ、今春のリーグ戦では打撃で苦しんだ。打率・261とレギュラーに定着した1年秋以降では最低の数字。目標としていた首位打者も逃し「3割届かずは自分としては情けないし悔しい。注目されている中で空回りしてしまった。そこを自分の力を変えられるような選手になりたい」と雪辱を誓う。

 理想の選手はヤクルト・青木。幼少時代から頻繁に神宮に出かけ、ヤクルト戦を観戦していた。右翼席で見ていた小3の時には、青木のホームランボールをキャッチしたことも。そのボールは、今も実家に大切に飾ってある。同じ左打ちの外野手ということもあり「ミート力が高い選手ですし、ヒットの延長でホームランというイメージ。青木選手のような打撃をしたいです」と憧れを抱く。

 青木のように、長打も打てる打者になるため、「振る力」の強化を秋のリーグ戦に向けたテーマに掲げる。打撃練習ではスローボール打ちを繰り返しており、「(スローボールは)振る力がないと飛ばないですし、下半身の力を使わないと飛ばせない。長打がないと思われているので。大学ではまだ打っていないので、本塁打も打ちたいですね」と鼻息を荒くする。

 悩める春を過ごした鷲田だが、最終目標がぶれることはない。「目標は下げたくない。できるところまでは、目指したい」。打撃に磨きをかけ、プロ入りの夢を追う。(田中 健人)

 《オフはインドア派》野球漬けの生活を送る鷲田だが、インドア派な一面もある。オフの日は自宅からほぼ出ないといい「テレビを見たり、ゲームをしたり、いろんなアニメを見たり。走りに行くとか、素振りしたりする以外は、本当に家から出ないです」と笑う。人気野球ゲームの「実況パワフルプロ野球」やオンラインゲームを主に楽しんでいる。さらに、現在はまっているアニメは「ソードアート・オンライン」。仮想空間に閉じ込められた主人公たちが現実の世界に戻るために、さまざまなボスと戦っていく物語で「めちゃくちゃ好きで、お薦めです」と目を輝かせた。

 ☆球歴 三鷹五小1年時に「井の頭フェニックス」で野球を始める。三鷹三中では「三鷹ボーイズ」に所属し、投手と外野手を兼任。八王子実践では1年秋からベンチ入り。甲子園経験はなし。横浜商大では1年春にリーグ戦デビュー。

 ☆末っ子 家族は両親と兄2人の末っ子。2人の兄も野球経験者。父は大の野球好きだがプレー経験はなく「見るのが好きなタイプです」。

 ☆俊足 小中学校の徒競走は全て1位を獲得。小学生の時は20分ほどの休憩時間を使っての鬼ごっこで、その時間を通して逃げ切ったこともある。

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2022年7月5日のニュース