阪神・近本、球団記録30戦連続安打でコイ戦初勝利導く 記録保持者マートン氏もエール

[ 2022年7月5日 05:15 ]

阪神・近本
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 「メモリアル打」で連敗を止める。阪神は5日から今季2分け9敗の広島を甲子園で迎え撃つ。目下29試合連続安打中で、球団記録に王手をかけている近本光司外野手(27)のバットに待望の初勝利への期待がかかる。球団OBで現記録保持者のマット・マートン氏(40)からエールも届いた。チームは3連戦3連勝なら一気に3位浮上。頼れる背番号5が、新記録樹立で猛虎をけん引する。

 必見の一戦となる。5月28日ロッテ戦から安打を打ち続けてきた近本。3日の中日戦でも柳から快音を放ち、ついに29試合連続安打に至った。あのレジェンド助っ人、マートンの30試合に王手をかけ甲子園に帰ってきた。

 「記録に対する意識というのは全然ないですけど、毎試合、打ちたいのは1年目から思っている。それで記録が続いているというのはすごくうれしいことだし、支えてもらっている人たちもいるので、そういう人たちに感謝というか、そういう思いで返していけたら」

 周囲から聞こえる雑音を封印し、目の前の打席に全集中。打ち取られた打席も無駄にはせず、修正を加え、駆け引きを制して、やり返す――。それが近本のスタイルだ。そうやって積み重ねてきた記録が球団歴代2位まで来たが、今は次の試合のことしか頭にない。
 「記録というのは後からついてくるものなので。この試合でどうやって打つかとしか考えていない」

 今日から対戦する広島には、開幕から2分け9敗。開幕11戦未勝利は球団史上ワーストだ。「記録より勝利」が信条の近本にとっても、勝利に導く一打が球団タイ記録につながれば最高の形となる。

 そんな背番号5に対し、海の向こうからエールも届いた。現球団記録保持者のマートン氏が、本紙の取材に対応。古巣の試合は常に気にかけており、近本の連日の活躍にも熱視線を送ってきた。まず「彼はフィールドのあらゆる方向にヒットを打つ能力を持っているね」と後輩を絶賛。記録達成した11年の自身を「ただベストを尽くしてチームの勝利に貢献したかっただけだった。ヒットを打っている時はチームに貢献している満足感があるからね」と振り返り、近本にもチームをけん引する働きを期待した

 5日の相手先発は今季10打数2安打、打率・200と苦手とする床田。チームも3戦3敗の難敵だが、自身は前回、前々回の対戦で1安打ずつを放っている。何より交流戦も挟んだこの1カ月余り、セ・パ両リーグのあらゆるエース級を打ってきたからこその「29試合連続」だ。今の近本ならマートンに並び、追い越せる。 (山添 晴治)

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