ソフトバンク・又吉“沖縄4連勝”呼んだ 凱旋登板で1回零封「全てに感謝したい」

[ 2022年5月19日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-2西武 ( 2022年5月18日    那覇 )

<西・ソ>地元沖縄で好投しヒーローインタビューを受ける又吉(撮影・岡田 丈靖)               
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは18日、西武に3―2で競り勝った。柳田悠岐外野手(33)が2―2の7回、中前に決勝打を決めた。又吉克樹投手(31)が8回に、中日時代の2015年のDeNA戦以来となる故郷凱旋登板。1イニングをきっちり無失点に抑え、連勝に花を添えた。前日は東浜巨投手(31)が好投し、島人(しまんちゅ)パワーが連日チームを支えて2連勝。沖縄では昨年から4連勝となり、首位楽天に2ゲーム差に迫った。

 午後9時18分、3―2の8回。スタジアムが異様なムードに包まれた。又吉が8日のロッテ戦以来、10日ぶりにマウンドに走った。3人目のアウトを取ったのは同32分。特別な地での14分間、17球だった。1回をきっちり無失点で守護神、モイネロにつなぎ、昨年から続く沖縄シリーズ4連勝をお膳立てした。

 「変な緊張があった。“シーン”となるし。でも甲斐の意図したところに投げられたし、一生の思い出に残る登板になりました」

 沖縄・浦添市出身の変則横手右腕は、中日時代の15年以来7年ぶりに地元で投げた。ホークスで初めての故郷凱旋登板にふさわしい好投だった。

 初球カットボールで金子のバットを折って二飛。愛斗も一邪飛。2死で那覇市出身の大砲、山川と対峙(たいじ)した。

 「不思議な感じで山川に投げてるなと。より一層、力以上のものを出せたと思います」

 7球連続のカットボール勝負。最後は145キロを中前に運ばれたが、続く外崎の打席で代走・熊代が飛び出し、落ち着いて二塁へ投げ、挟殺した。

 沖縄で過ごした中、高校時代は内野手の補欠。身長は小さく、細いため又吉の愛称は「マメ」だった。この日は当時を知る友人が観戦した。藤本監督も当然、うなった。「コントロールいいし、スピードも早くなってきて、本当に信頼できますね。又吉は気持ち良かったんやないですか」。17日はうるま市出身の東浜で、翌18日は石垣市出身の嘉弥真も投げた。沖縄パワーがマウンドを支えた2試合。又吉も中日時代から、沖縄で投げたプロ3試合は計2回2/3で無失点。故郷での防御率は0・00を継続中だ。チームは2連勝で首位楽天とのゲーム差を2に縮めた。

 「投げさせてくれたチームに感謝したい。(日本)復帰50周年で投げられたこと、全てに感謝したい」と又吉。この日の先発、杉山にメンタル面での助言を加えるなど、又吉は常に周囲の状況を察知し、気を配り、思いを正直に伝える。

 名前の「克樹」は「母親が“克己”だと自分にしか興味ない人間になるということで“克樹”になったらしいです」。故郷とチームを思いやる男が雄姿を堂々と見せた。(井上 満夫)

続きを表示

2022年5月19日のニュース