ロッテ・鳥谷が引退 今季開幕スタメンも調子上がらず決断「感謝の気持ちでいっぱい」

[ 2021年11月1日 05:30 ]

ロッテ・鳥谷
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 ロッテは31日、鳥谷敬内野手(40)が今季限りで現役引退すると発表した。看板選手として活躍した阪神を19年限りで退団し、移籍2年目の今季は開幕スタメンも果たしたが、打撃の状態が上がらず、7月に2軍降格。優勝争いが佳境となった終盤も1軍昇格できなかった。通算2099安打を誇り、04~18年には歴代2位となる1939試合連続出場も記録。18年の現役生活に静かに幕を下ろした。

 鳥谷らしい幕の引き方だった。ラスト3試合までリーグ優勝の可能性を残していたことを考えて、静かにチームの行方を見守った。レギュラーシーズン終了から一夜明け、球団に今季限りでユニホームを脱ぐ意向を伝えた。

 球団広報を通じたコメントに人柄がにじみ出た。「阪神で16年、ロッテで2年。いろいろな人と出会い、いろいろな人に支えていただき、ここまで現役をすることができました。感謝の気持ちでいっぱいです」と周囲へ感謝の言葉を並べた。

 今季は遊撃手として開幕スタメンを果たしたが、6月6日のDeNA戦が最後の出場で、7月6日に出場登録を抹消されてからは2軍生活。「チームが調子のいい時も悪い時もあった中で力になれず、ユニホームを脱ぐことを決断しました。日本一を目指している時期に個人的なことを発表させていただき申し訳ありません」と最後まで周囲を気遣った。

 阪神時代の04~18年には、広島・衣笠祥雄に次ぐ歴代2位となる1939試合連続出場を記録した。負担の大きな遊撃手としての記録だけに際立つ。通算2099安打の打撃も超一流だが、守備もゴールデングラブ賞を遊撃手で4度、三塁手で1度獲得し、球界屈指の名手だった。13年WBCは侍ジャパンの一員としてベスト4に貢献。2次ラウンド台湾戦では1点を追う9回2死で決死の二盗に成功し、奇跡の逆転勝ちにつなげた。

 プロ入りした当初に掲げた「40歳でショートを守りたい」との目標は達成した。まさに、太くて、長い野球人生。近日中にも引退会見を行う予定だ。

 ◇鳥谷 敬(とりたに・たかし)1981年(昭56)6月26日生まれ、東京都出身の40歳。聖望学園(埼玉)で3年夏に甲子園出場。早大では2年春に3冠王を獲得するなどベストナイン5度。03年にドラフト自由枠で阪神に入団し、04年9月9日から18年5月27日までプロ野球歴代2位の1939試合連続出場。17年に通算2000安打達成。20年にロッテ移籍。ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度(遊撃4、三塁1)受賞。13年WBC日本代表。1メートル80、79キロ。右投げ左打ち。

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