広島・大瀬良、奇跡CSへ「チームの勝利」最優先 自身10勝は「二の次、三の次」 21日ヤクルト戦先発

[ 2021年10月21日 05:30 ]

広島・大瀬良
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 奇跡のクライマックスシリーズ(CS)進出を目指す4位・広島は21日から優勝マジック3の首位・ヤクルトと2連戦(神宮)。大瀬良大地投手(30)は神宮室内で最終調整し、カード初戦の先発に備えた。逆転Aクラス入りへ、望みをつなげられるか否かの大事な一戦。2年ぶりとなる自身の2桁10勝よりも「チームの勝利」と力を込めた。

 希望の光はまだ消えていない。奇跡のCS進出へ、他力でも、今季残り6試合に全勝すれば可能性はある。投手キャプテンを務める大瀬良は、命運を懸けた戦いに臨むナインの思いを代弁した。

 「ここに来てワンチャンスある。若い選手はイケイケどんどんでいいし、中堅やベテランが手綱を引いて、しっかり力を合わせて戦いたいと思います」

 21日のヤクルト戦に先発する。敵の優勝マジックは3。本拠地・神宮で胴上げを実現しようと、ビジターに倍する闘志で向かってくるに違いない。ともに負けられない一戦。それでも百戦錬磨の大瀬良に緊張感や力みは見られない。

 「相手の打線や球場の狭さを意識し過ぎると、自分の投球ができなくなるので、いつも通りでいいかな…と。攻める時は攻め、気を付ける場面では気を付けながら、投球でチームを鼓舞できれば」

 ヤクルトとの相性はすこぶる良い。通算30試合に登板し、13勝3敗3ホールド、防御率3.19。とりわけ神宮では8勝0敗と無敗を誇る。心強いデータ。ただ、敵地登板は19年9月以来2年ぶりで、足場が変わったという情報を得ており、順応の必要性を強調する。

 「神宮で投げること自体が今季初めて。マウンドが硬くなっているみたいなので、うまく対応しながら投げたいと思います」

 自身は3連勝中で目下9勝。7月から12試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を続けており、勝てば2年ぶり5度目の2桁10勝に届く。だが、大黒柱は笑って首を横に振る。

 「自分がどうこうよりも、チームが勝って望みをつないでいくだけ。自分のことは二の次、三の次、四の次。とにかく、チームが勝つことだけを考えて投げたいと思います」

 終盤の快進撃と、巨人の大失速で訪れた望外の好機。失うものは何もない。大瀬良が投球でツバメを牛耳り、希望の光をつなぐ。(江尾 卓也)

《負ければ終わり》20日に3位巨人が勝ったため、試合のない4位広島とのゲーム差は、3.5に広がった。広島が逆転3位でシーズンを終えるためには、残り6試合に全勝なら巨人の残り2試合全敗か1敗1分け。広島が5勝1分けなら巨人の2敗が必要。21日に広島がヤクルトに敗れた時点でCS進出は消滅するが、19年には3位広島と3ゲーム差の5位阪神がラスト6戦を全勝し、最終戦勝利で3位に浮上したことがある。

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