関本賢太郎氏 阪神・坂本の好リード光る ヤクルト・村上を3三振 特に7回の裏をかいた配球はお見事

[ 2021年10月21日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー0ヤクルト ( 2021年10月20日    甲子園 )

関本賢太郎氏
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【関本賢太郎 視点】2試合で1点も取られなかった阪神バッテリーは素晴らしかった。ガンケルは今年一番良かったと思う内容だったし、4番の村上には3打席連続三振。捕手の坂本は初戦から計7打席の対戦で1四球のみで長打どころか、安打は1本も許さない好リードだった。

 特に7回1死一塁ではカットボール、スプリット、カットボールでカウント2―1から内角真っすぐを2つ続けてフルカウント。おそらく強打者の村上は最後は低めに落ちる球を振らせにくるだろうと過去の経験から読んでいたはずだが、なんと内角真っすぐをもう一つ続けて見逃し。一塁走者の山田も刺して三振ゲッツーとした。そこに投げきったガンケルもさすがだが、完全に裏をかいた配球は見事だった。再戦が予想されるCSでも、村上はこの攻めは覚えているだろうし、阪神バッテリーとしたらこの1球を伏線としてつなげたい。

 それでも引き分けは追う側の阪神にとっては痛い。代走植田も、いま攻守で勢いのある板山もベンチに置いたままだった。振り返ってみれば…という話になるが7回1死から内野安打で出た糸原に代走で勝負するのか、もっと早い5回無死一、二塁でバスターで右飛に倒れた小野寺のところにバント要員の代打を送れるのか…となり難しい判断だが、もう“通常運行”でなくてもいい時期には入っている。

 残り4試合、その後のCSや日本シリーズでも1点勝負は増えてくると予想される。広い甲子園を本拠地とする阪神の武器はやはり機動力であり、スモールベースボール。塁に出て、得点圏に進んで、いかに相手にプレッシャーをかけられるか。最初の1点、その突破口を開くことができれば、バッテリーの強みも、もっと生きてくる。

《守備データ光る坂本》坂本(神)は12日の巨人戦から7試合連続でスタメンマスクをかぶり、チームは4勝1敗2分けの勝率.800。この日、期間中初めて9回の守備で梅野に途中交代したが、捕手を務めた62イニングの失点は8。4失点で敗れた17日広島戦以外は2失点以下で、無失点も3度あり、1試合9イニング換算で1.16失点と堅牢(けんろう)な守備を誇る。

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