前橋育英エース・外丸東眞「簡単にはいかない場所」 吹奏楽部の姉が4大会経験した聖地に挑む心構え

[ 2021年7月27日 19:39 ]

全国高校野球選手権群馬大会    前橋育英6―1高崎健康福祉大高崎 ( 2021年7月27日    上毛新聞敷島球場 )

<健大高崎・前橋育英>1失点も12回を投げ抜いた前橋育英・外丸(右)は野村に飛び上がって抱きつく(撮影・村上 大輔)
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 台風が迫る群馬は雨のち晴れだった。5点をリードした延長12回。エースの外丸は熱気に包まれたマウンドで自らに言い聞かせた。

 「冷静に。目の前の一球に全力」。最後の打者を右飛に仕留めると、高く跳ねた。12回、166球を投げ切り、感情が爆発した。

 「優勝することができて本当にうれしい。(心が)折れた方が負けだと思ったので我慢強くピッチングしました」。全6試合に先発し、計42回1/3を投げて7失点。わずか1失策の固い守りが打たせて取るスタイルの外丸を支えた。

 決勝の相手は16年から3年連続、決勝で勝っていた高崎健康福祉大高崎。最速144キロを誇る右腕は直球にカーブなど変化球を織り交ぜ4安打1失点で完投し、返り討ちにした。荒井直樹監督は「延長に入ってからはこの子で心中しようと思った。今日が一番いい投球だった」と今大会571球を投げ抜いたエースを称えた。

 両親とともに一塁側のスタンドで観戦した3学年上の姉・理子さんも同校出身。吹奏楽部のホルン担当でセンバツを含めて4度も甲子園で演奏した。外丸は中学1年の夏に姉の演奏が響く甲子園を訪れ「何が起こるか分からない、簡単にはいかない場所」と感じた。2年前の夏の甲子園はスタンドで見守り、雰囲気はつかんでいる。

 練習後の疲労が溜まった状態でダッシュを繰り返し、スタミナをつけた大黒柱。初めて選手として立つ甲子園に「自分たちの野球をして日本一を獲りたい」と力強く言った。(柳内 遼平)

 ◇外丸 東眞(そとまる・あづま)2004年(平16)2月22日生まれ、群馬県前橋市出身の17歳。小3から野球を始め、桂萱中では軟式野球部に所属。前橋育英では2年夏からベンチ入り。遠投100メートル。50メートル走6秒3。憧れの選手はオリックス・山岡。1メートル72、72キロ。右投げ右打ち。

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2021年7月27日のニュース