北海 木村6回6失点降板も…吉野、無失点救援で逆転呼んだ「最後に助けられてうれしい」

[ 2021年7月27日 18:42 ]

全国高校野球選手権南北海道大会 決勝   北海8―6札幌日大 ( 2021年7月27日    札幌円山球場 )

<北海・札幌日大>9回2死、森を三振に仕留めガッツポーズで喜ぶ北海・吉野(撮影・石川加奈子)
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 北海が札幌日大を8―6で下して4年ぶりの優勝を果たし、全国最多を更新する39度目の甲子園出場を決めた。最速150キロ左腕の木村大成(3年)が6回6失点で降板後、これまで“木村頼み”だったチームが一丸となって逆転。2番手で今夏初登板した吉野龍生(3年)も3回を2安打無失点と踏ん張り、創部120周年の節目の年に、10年ぶりとなる春夏連続甲子園出場の偉業を達成した。

 チームのピンチを救ったのは、背番号10の右腕だった。前日147球完投していた木村は6回に左太腿裏をつり、この回4失点で逆転された。7回からマウンドを託された吉野は「木村が悔しい形でマウンドを降りたので、もう一回、(右翼に回っていた)木村を戻そうという気持ちだった」と振り返る。

 7、8回と無失点で試合の流れを引き戻すと、8回に味方が逆転した。9回最後の打者を三振に仕留めた吉野は「夢みたい」と飛び上がった。1カ月前に右肘を痛め、本格的な投球はこの日が初めて。無我夢中だった。

 「9回は木村が“後ろに自分がいるぞ”と言ってくれたので、自信を持って投げた。ずっと木村におんぶに抱っこだったけど、最後に助けられてうれしい」と笑った吉野。外野で歓喜の瞬間を迎えた木村は「今まで見たことのないくらい格好良かった」と吉野を称え、仲間に感謝した。

 野手も奮起した。8回に尾崎大嘉(3年)の内野安打で追いつき、相手失策で勝ち越した。初回にチーム初安打を放ち、先制のホームも踏んだ尾崎は「夏は打たないと勝てないと言われてきた。打線がつながり、この夏は野手が木村を助けることができた」と胸を張った。準々決勝から3試合連続2桁安打は、打線強化の成果だ。

 “木村頼み”からの脱却を目指してきた平川敦監督(50)は「春も夏も甲子園に行くという、とてつもなく難しいことをやってくれた」と一丸となってつかんだ勝利に目を細めた。次は、甲子園。今春のセンバツでは眼前で逃した白星を全員で奪いにいく。

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