高知のプロ注目右腕・森木 打線の援護受け決勝進出 28日因縁の明徳義塾戦へ「負けません」

[ 2021年7月27日 05:30 ]

全国高校野球選手権高知大会準決勝   高知10-3高知中央(7回コールド) ( 2021年7月26日    春野 )

<高知・高知中央>4回、同点に追いつきほえる高知・森木大智
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 高知大会が26日行われ、プロ注目の154キロ右腕、高知・森木大智(3年)が高知中央との準決勝で今夏初先発し7回3失点完投し決勝に進出した。

 勝利への強い思いが森木の感情を高ぶらせた。3回までに3点のリードを許す想定外の展開。「ここで負けてしまうのかなと思い込んでしまって。負けたら俺のせいだなと」。4回2死満塁で有田爽輝が左中間に2点打を放ち反撃を開始すると、ベンチ前で感極まり、試合中では初体験という涙を流した。さらに続いた好機を味方が生かして一気に逆転すると、以降は得点を許さなかった。

 「みんなのために自分が頑張らないといけないと思った。全体的にバランスは悪くなかったんですけど、ボールのばらつきがあった。自分も含め、チームみんなが助け合いながらできた試合だったと思います」

 今夏初先発で、自己最速にあと1キロに迫る153キロを計測した自慢の速球を狙い打たれた。平常心も失った。それでも、7回118球を投げ8安打3失点完投。毎回の9奪三振で7回に150キロを計測するなどポテンシャルの高さは相変わらずだった。

 父・育悟さんはサッカーで、母・仁美さんはバレーボールで、3歳上の姉・さくらさんは新体操で、それぞれ高校総体の出場経験を持つ。家族の中で高校で全国の舞台に立ってないのは自分だけだ。

 1年生だった19年同様、決勝まで来た。28日の決戦の相手も同じ明徳義塾。自身初の聖地へ、避けては通れないライバルだ。

 「甲子園優勝を目指してやってきた。決勝ですけど、こんなところでは負けていられない。嫌な相手ではあるんですけど、負けません」

 集大成。その剛腕で、道を切りひらく。(北野 将市)

 ▽高知・森木と明徳義塾 1年生だった19年夏の高知大会決勝では3回から救援も7回3失点と流れを呼べず敗戦。2年時の20年秋季大会決勝では延長12回、120球を投げきり1失点完投も引き分けで再試合には登板せずチームは0―6で敗れた。3年となった21年春の高知大会順位決定戦では1―1の7回2死二塁で救援登板。ピンチを脱したが、延長13回に決勝点を奪われた。続く春季四国大会決勝で対戦し6―1の9回無死満塁で登板。一人の生還を許したが自己最速154キロを計測し1回無失点で勝利した。

 《明徳義塾乱打戦制す》明徳義塾は両軍合わせて27安打の乱打戦を制し、09年から12大会連続の決勝進出を果たした。先発した今秋ドラフト候補左腕の代木大和が3回1/3を8失点と誤算だったが、3回に一時逆転となる3ランを放つなどバットで意地を示した。「(決勝まで)一日空くので、今日のビデオを見て修正したい」。馬淵史郎監督は「悪いことばっかりでもないし、いいことばかりでもない。人生といっしょ」と自然体で森木との決戦に臨む。

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