出てこい7回の男!!阪神・矢野監督、試行錯誤の逆転負け「及川なり斎藤なり新しいカード必要」

[ 2021年6月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー3DeNA ( 2021年6月26日    甲子園 )

<神・D>投手交代を告げ、厳しい表情の阪神・矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神は26日のDeNA戦に1―3で逆転負けし、2連敗した。矢野燿大監督(52)は1―0の7回無死一塁で及川雅貴投手(20)を投入。ホールド機会では初めて抜てきし、逆転被弾に沈んだ。2位・巨人との3・5ゲーム差は7日以来。18日時点の最大8差から急接近を許したことよりも、岩崎、スアレスにつなぐ「7回の男」を固定できない現状が少し気がかりだ。

 弱冠20歳の左腕にとっては、ホロ苦いマウンドとなった。もちろん、矢野監督は責めない。勝負をかけた抜てきが結果的に裏目に出ての連敗となった。

 「現状、あそこがなかなか固定できないので。そういうところで及川なり、斎藤なり、誰か新しいカードはこれからも必要になる。勝負いった結果。ああいうところからまた経験して、どう抑えていくかを学んでくれたらいいと思う。こっちとしては、使うことで悔いはない」

 1―0で迎えた7回。6回途中から登板していた馬場が先頭の大和に中前打されたところで動いた。岩貞や藤浪ら経験豊富な投手もいた中で、売り出し中の高卒2年目、及川を投入。代打・関根の犠打で1死二塁となった後、桑原に初球の低めスライダーをバックスクリーンまで運ばれた。

 5月28日の西武戦で1軍デビューした及川にとって、これが通算9試合目のマウンド。球威十分の真っすぐを思い切って投げ込む若々しい投球で、直近4試合連続無失点に抑えていた。ただ、ホールドが付く場面での登板はプロ初。しかも、無死の走者を置いた厳しい状況で“洗礼”を浴びる形となった。

 「7回の男」の不在が響いている。8回には侍ジャパン・岩崎、9回には絶対的守護神のスアレスが控えているものの、そこにつなぐ投手陣がピリッとしない。交流戦から中継ぎに回った藤浪は最近4試合で7失点。岩貞も開幕当初の安定感はない。矢野監督の試行錯誤が続く中での逆転負けだった。

 プロ初黒星となった及川は、被弾後は2三振を奪い追加点を許さなかった。矢野監督は「何か後ろに向いているとか、そういうことはない。打たれてガックリくるところだけど、しっかり投げてくれたし、これからもいい場面でチャンスがあれば使いたい」と評価。痛い経験も、今後への糧とすればいい。

 ヤクルトに連勝の巨人とは7日以来の3・5差に接近。それでも、しびれるような戦いが始まるまでに、ブルペン陣を含めた戦力を整備する時間は十分にある。(山添 晴治)

 《本拠で5連敗》阪神が連敗。6連勝で追う2位の巨人とは6月18日時点で最大8・0あったゲーム差を、同7日以来の3・5差まで迫られた。甲子園のカードは5月11、13日の中日戦勝ち越し(1勝1分け)を最後に18、19日のヤクルト戦1勝1敗を経て、25~27日のロッテ戦から5カード連続で負け越し中。一方、この間行われたビジターの5カードではすべて勝ち越している。また、開幕から17戦無敗の16連勝を誇ったデーゲームは、6月5日ソフトバンク戦(甲子園)の初黒星以降7試合で2勝5敗。甲子園で5連敗中と本拠でのつまずきが目立つ。

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