慶大3年ぶり4強 「大胆かつ繊細に」関学大の好投手・黒原拓未攻略

[ 2021年6月10日 17:18 ]

全日本大学野球選手権準々決勝   慶大5―3関学大 ( 2021年6月10日    神宮 )

<全日本大学野球選手権 関西学院大・慶大 >5回1死満塁、慶大・福井の右犠飛で三走・渡部遼が生還(撮影・郡司 修)
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 打てぬなら、打たずに勝とう、慶応大――。

 今秋ドラフト候補に挙がる関学大の左腕・黒原拓未(4年・智弁和歌山)に対し、慶大打線の狙いはシンプルだった。好球必打とボール球を振らないこと、この2点だった。堀井哲也監督は「(黒原は)リーグ戦でほとんど点を取られていないし、簡単にはいかないなと。大胆かつ繊細に」とナインを送り出した。

 初回1死一、三塁から4番・正木智也(4年・慶応)の左犠飛で先制。5番・福井章吾(4年・大阪桐蔭)は3球で追い込まれながら「ショートスイングで何とかシングルヒットを狙った」と高めの直球を中前に運んだ。2―2の5回には1死満塁から正木の押し出し死球で勝ち越し。続く福井は右犠飛できっちりと加点した。

 19年12月に就任した堀井監督は「ヒットが打てなくても点を取る野球」をナインに植え付けてきた。2打点の福井は「日頃の練習でケース打撃をやっている。どこに打ったら点が取れる確率が高いかを考えている」と胸を張った。好投手から5回までに4点を奪い、主導権を握った。

 69年前の第1回大会決勝で下した関学大に対し、この日は6回にも犠飛で加点するなど、安打数では負けても、チームは当時と同じスコアの5―3で競り勝った。「ヒットが出なくても点を取る。やってきたことが出せた」と正木。KEIO打線は打たずに好投手をKOし、3年ぶりの4強入りを決めた。(川島 毅洋)

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2021年6月10日のニュース