阪神・大山　お待たせ復帰後初打点！価値あるタイムリー2本　輝の前で輝いた4番の底力

交流戦   阪神10―7西武 （ 2021年5月28日    メットライフD ）

＜西・神＞7回、左前適時打を放ち、雄たけびを上げる大山（撮影・坂田　高浩）
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　主役の座は完全に後輩に持っていかれたが、阪神・大山もしっかりと4番の働きを果たした。価値ある2本の適時打で、逆転勝利をお膳立て。本来の勝負強さを取り戻した。

　「みんながつないでくれて、いい流れでいけるところで止めていたんで。何とかやり返さないといけないと思って打席に立ったんで、それがいい打点になって良かった」

　第1、2打席は得点圏に走者を置いて凡退。意地を見せたのが4―4の7回2死一、三塁だった。森脇の低めのカットボールを振り抜き左前に運んだ。一時勝ち越しとなる一打は、背中の張りによる離脱から復帰後、4試合目で初打点。一塁に向かう途中で雄叫びをあげ、一塁を回るとポンと両手をたたいた。

　さらに大きかったのが、1点差に迫り、なお1死一、三塁で入った9回。ギャレットのスプリットを捉え、土壇場で試合を振り出しに戻す左前適時打。佐藤輝の衝撃弾につなげた。

　5日のヤクルト戦で背中の異変を訴え、途中交代。当初は最短10日間での復帰を目指したが、万全を期したこともあり、20日後の交流戦開幕まで時間を要した。自身が不在の間に「4番・三塁」を務めたのが佐藤輝。新人ながら穴を埋める働きを見せていたが、矢野監督は大山復帰と同時に、当然のように大山＝4番、佐藤輝＝6番に戻した。指揮官の不変の信頼に2本の値千金打でやっと応え、優勝した03年以来となる両リーグ最速30勝にも貢献した。

　「試合が始まってしまえば、4番も打順も関係ない。チームの勝利に貢献すること、どこでどうやって仕事をするかだと思う。勝つために全力を尽くすだけだと思うので、しっかり仕事ができるように頑張ります」

　助っ人や怪物新人がいくら好調でも今季の猛虎の主砲は主将。強力打線の真ん中で、にらみを利かせ続ける。（山添　晴治）