東海大野球部 出直しVならず秋こそ復権へ

[ 2021年5月29日 18:57 ]

東海大・井尻監督
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 【伊藤幸男の一期一会】29日に行われた首都大学野球春季リーグ優勝決定トーナメント1回戦で東海大が桜美林大に敗れ、3季ぶり74度目の優勝を逃した。

 頼みの打線が6安打1点に抑えられたことに、今春から就任した井尻陽久監督(68)は「打てなかったのが敗因」と淡々と切り出した。「1番・遊撃」でチームを引っ張ってきた小松勇輝(3年、東海大相模)が右膝十字じん帯断裂で戦線離脱。「背番号1」のユニホームをベンチ内に吊して戦ったが、力尽きた。

 一時は最下位転落の崖っ縁から優勝決定Tへ進出した地力は評価できる。だが投打ともリーグの頂点に立つレベルには達していなかった。門馬大主将(4年、東海大相模)は「雰囲気はよかったのですが、相手が上でした」と声を絞り出した。

 チームは昨秋、部員の大麻使用で無期限の活動停止に。出直しを期して再出発した後も、周囲から雑音が聞こえてくる。それでも4年生を中心に逆風をはね返してきた。「僕の中ではやりきれたと思います。苦しみながらもチームが一つになってここまでやって来られました」。門馬が少しだけ胸を張った。

 練習自粛期間は私生活から見直した。合宿所内の清掃や、グラウンド付近の雑草刈りなど上級生が率先して取り組んだ。とはいえ、それで強くなるほど野球は甘くない。今春10試合プラスこの日の1戦で、現有戦力に足りないものは再確認できた。

 「(ユニホームの)縦じまには伝統と誇りがある。秋には優勝、そして日本一を目指していきたい」。4度の全日本大学選手権優勝、3度の明治神宮大会制覇など学生野球界に足跡を残してきた東海大復権へ、門馬が語気を強めた。

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