ヤクルト・ドラ1木沢「クレメンスになりたい」、MLB354勝右腕理想に40代まで剛球を

[ 2021年1月18日 05:30 ]

ブルペンで投球練習をするヤクルト・木沢
Photo By 代表撮影

 ヤクルトのドラフト1位・木沢尚文投手(22=慶大)が17日、埼玉・戸田での新人合同自主トレで初のブルペン投球を行った。高津臣吾監督(52)が見守る前で、立った捕手を相手に力強い球を16球投じた。最速155キロ右腕は、大リーグ通算354勝のロジャー・クレメンス氏(58=元レッドソックス)のように、40代まで剛速球を投げ続ける本格派を目指すと宣言した。

 ダイナミックなフォームから、球質の重そうなボールがミットに収まる。木沢がドラフト3位の捕手・内山(星稜)を相手に16球。「8割くらい」という力加減でも、球威は十分だった。進化の先に目指すのは、往年のメジャーの剛腕だ。

 「ロジャー・クレメンスみたいな投手になりたい。昔の向こうの本格派ピッチャーに憧れる。マウンドの立ち居振る舞いだったり、堂々としていてロマンを感じられる投手」

 通算354勝を挙げ、歴代最多7度のサイ・ヤング賞を獲得したクレメンス氏を理想とする。レッドソックスやヤンキースなど大リーグで24年活躍。「ロケット」の愛称で親しまれた、大リーグを代表するパワーピッチャーだ。

 40代になっても160キロ近い剛速球を投げて相手をねじ伏せた姿を動画で研究している。「パワーピッチャーで長く現役を続けられたことには絶対に理由がある。負担のないフォームで力強いボールを投げられるところが目指すべきところ」。45歳まで第一線で活躍した右腕は最高の手本。自身は「ケガが多かったですけれど、その分勉強もしてきた」とプロ野球人生を見据えて知識も蓄えている。

 昨年12月30日以来というブルペン投球を、高津監督も視察。「力で押す、真っすぐで空振りが取れることは、プロの世界でも難しいけれど、彼にはその素質がある」とパワーピッチャーとして期待する。キャンプは1軍スタートが濃厚なルーキーは「自分も本格派投手として太く、長く生きられるように目指していきたい」と力強い。ロマンある投手を目指し、早期アピールで「ロケットスタート」を切る。(青森 正宣)

 ◆木沢 尚文(きざわ・なおふみ)1998年(平10)4月25日生まれ、千葉県出身の22歳。船橋二宮小6年時にロッテJr入りし、藤平(現楽天)らと12球団ジュニアトーナメントを制覇。慶応高では甲子園出場なし。慶大では2年春にデビューし、通算23試合で7勝2敗、防御率2・98。3年秋に明治神宮大会に出場した。1メートル83、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆ロジャー・クレメンス 1962年8月4日生まれ、オハイオ州出身の58歳。テキサス大から83年ドラフト1巡目(全体19番目)でレッドソックス入団。1試合最多となる20奪三振を2度(86、96年)記録。愛称は「ロケット」で、最初の20奪三振達成試合で客席のファンが「ザ・ロケット・マン」と書かれたプラカードを手にしていたのがきっかけ。ブルージェイズ、ヤンキース、アストロズなどでプレー。通算354勝、歴代3位の4672奪三振。サイ・ヤング賞は史上最多7度で、最多勝4度、最優秀防御率7度、奪三振王5度。右投げ右打ち。

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