ロッテ ソフトBに最接近0差 2年目・藤原プロ初3安打&初盗塁 首位攻防戦で大暴れ

[ 2020年10月10日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ3-1ソフトバンク ( 2020年10月9日    ペイペイD )

<ソ・ロ>初回無死、二塁内野安打を放つ藤原(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 2位のロッテは9日、ソフトバンクとの首位攻防3連戦の初戦を3―1で制し、0ゲームの1厘差まで詰め寄った。新型コロナウイルスの大量感染で昇格した2年目の藤原恭大外野手(20)が「1番・左翼」で出場。初回の二塁内野安打で先制のホームを踏み、今季初の適時打も放った。プロ初の3安打猛打賞をマークする大活躍で打線をけん引。きょう10日も勝てば、8月21日以来50日ぶりに単独首位に返り咲く。

 大阪桐蔭時代に甲子園で3度の優勝を果たした経験がある。大舞台で強さを発揮する力が、藤原にはある。

 「緊張というよりは“やってやろう”という気持ちが大きかった。大事な試合だったので、勝つことだけを意識した」。2試合連続で1番に起用された初回、二塁ほぼ正面の当たりに50メートル5秒7の快足を飛ばして内野安打にし、先制のホームを踏んだ。2―1の6回2死三塁では「直球一本に絞っていた」とムーアの147キロを狙い打ち、今季初の適時打を右前に運んだ。「キャノン」と呼ばれる強肩の甲斐からプロ初の盗塁も決め「甲斐さんから成功できたのはうれしい」と喜んだ。

 ドラフト1位で入団も1年目は6試合の出場で2安打止まり。2年目の今季、井口監督は2軍でじっくり育成する方針だったが、新型コロナウイルスに8選手が感染、5人が濃厚接触者となる非常事態で緊急昇格した。

 同じ中堅手の福田秀がFAで加入。「焦ります。高校は3年間あるけどプロはいつ終わるか分からない」と危機感も口にしていたが、2軍で経験を積む中で捉える打球の確率が上がった。「1軍で勝負できる」と手応えをつかみ、チャンスをものにした。高卒2年目以内で猛打賞を記録するのは、球団では同じ大阪桐蔭出身の04年西岡剛以来。井口監督は「持ってる選手だね。彼が出るとチームも盛り上がる」と称えた。

 福岡への移動の航空機内では新たに感染者が出た場合に濃厚接触者を増やさないよう、席をバラバラにした。コロナ禍と闘い、首位攻防を戦い、ソフトバンクに1厘差に詰め寄った。「チームが一つになっていく空気感が高校野球とは違う」。プロの長丁場の戦いをそう表現した20歳が、苦境のロッテを強くしている。(君島 圭介)

 ◆藤原 恭大(ふじわら・きょうた)2000年(平12)5月6日生まれ、大阪府出身の20歳。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春から4季連続甲子園出場。主に1、4番で計3度の優勝に貢献した。18年ドラフト1位でロッテに入団し昨季は球団高卒新人では54年ぶりの開幕スタメンを飾りプロ初安打も記録。1メートル81、80キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2020年10月10日のニュース