さすがショートスターター“申し子”だ!日本ハム 加藤5回ノーノーから0封リレーで快勝

[ 2020年9月4日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―0楽天 ( 2020年9月3日    札幌D )

<日・楽>ショートスターター本領発揮!日本ハムの先発投手・加藤は5回無失点の快投(撮影・高橋茂夫)
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 「ショートスターターの申し子」こと日本ハム・加藤が貫禄の無安打投球で今季初勝利を挙げた。5回を投げて許した走者は4回の死球による1人だけだ。

 「(無安打投球は)たまたま。野手の方も安打性を取ってくれたので。チームが勝てたので良かった」。前回登板の8月29日ソフトバンク戦の救援登板から中4日。1日の楽天戦まではベンチ入りし、救援待機も経ての登板だったが、昨季からこの戦術で起用された経験が生きた。

 栗山監督はこの日の投手起用を「ブルペンデーのイメージ」と明かした。加藤は無安打だったが「今の調整で9回までいけるのか、というところもある」と今後の救援登板も見据え、仮に続投させたとしても完投は不可能と判断。リーグ史上4度目の継投によるノーヒットノーランを目指し、ベンチでも近藤が「さあ、全員でノーヒットノーランいくぜ」と声を張り上げた。

 6回から救援した2番手・村田が2死後に小深田に安打を許したが、結局この1安打のみ。球団では06年4月15日ソフトバンク戦以来となる継投ノーヒッターはならなかったが、前日に手痛い逆転負けを喫した直後の試合で会心の1安打無失点リレーを演じた。

 加藤は過去のデータで、一定の球数に達した打者2巡目以降の被打率が高く、昨季から1、2巡目をメドに先発するショートスターターとして重用された。昨季は上沢、マルティネスと先発陣の相次ぐ故障で先発不足を補う苦肉の策だったが、6連戦が続く今季にも持ち味を発揮した。栗山監督も「この調整の中でここまでしっかり投げきれるのは去年の経験」と話した。

 勝率5割に復帰。これ以上、上位3チームに離されないためにも、ローテーションの谷間を埋める加藤の存在が大きくなってくる。(東尾 洋樹)

 ≪ブルペンデーとは≫6連戦の過密日程が続く今季は多くの球団が「ブルペンデー」を採用している。メジャーでは近年定着している戦略で、救援投手の継投で1試合を完了させる。先発投手の駒が不足している選手層の薄いチームが多用し、小刻みにタイプの違う投手を投入することで相手を幻惑させるメリットがある。

 その進化形が「オープナー」で、18年5月にレイズが初めて導入した。メジャーでは2番に強打者を置くことが多いため、失点の確率が高い初回に力のある救援投手を起用。2回から本来の先発を投入することで、上位打線との対戦を減らすことができる。同年は78試合で採用し、44勝34敗。エンゼルスは19年7月12日のマリナーズ戦で「オープナー」による2投手で無安打無得点試合を達成した。

 日本では昨季、日本ハムの栗山監督が「オープナー」をアレンジし、1巡目の被打率が低い特長がある加藤や堀を短いイニング限定で先発起用。両投手が5回未満で降板したのは計21試合あった。「ショートスターター」と呼ぶこともある。

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