「加賀の怪腕」金沢龍谷・加藤　元阪神・田村勤氏の助言でスリークォーター転向し最速150キロ

石川大会1回戦   金沢龍谷0－5金沢商 （ 2020年7月23日    石川県立 ）

＜金沢龍谷・金沢商＞2回、強い雨の中、金沢商の4番・室木太陽の内角を突き三ゴロに打ち取る金沢龍谷・加藤優弥
Photo By スポニチ

　元阪神投手の薫陶を受けた「加賀の快腕」がスカウト陣の視線を一身に集めた。今秋ドラフト候補に挙がる金沢龍谷・加藤は先発して4回2/3を4失点で敗退。全国的には無名の右腕目当てにNPB11球団が集結した。

　「チームを勝たせられなかったことが悔しい。後半に乱れて精度が甘くなってしまいました」

　初回は打者3人で立ち上がりながら、雨が強くなった2回に暴投で先制点を献上。5回に3点目を取られたところで無念の降板となった。5回以外は毎回5三振を奪うなど最速145キロを計測した直球の威力は十分だった。阪神の筒井和也スカウトも「コンスタントに140キロ以上出るし、馬力があって腕の振りがいい」とセンスの高さを評価した。

　昨年の秋季大会までは上手投げで最速144キロ。同校コーチで、阪神時代は左横手投げで一時代を築いた田村勤氏から「腕を下げたらどうか」と提案され、体や手首の使い方を教わった。昨秋10月から純粋な横手投げに取り組み、「何か違うな」とコロナ禍での自粛期間を利用し、少し腕を上げたスリークオーターに改良。これがピタリとはまり、今月2日の金沢学院大との練習試合で自己最速の150キロを計測し、一気にドラフト候補に躍り出た。

　金沢地区予選と合わせて2試合で最後の夏が終了。涙は見せず、「プロに行って活躍できる投手になることが小さい頃からの夢」とプロ志望届を提出する意向を表明した。　（北野　将市）

　◆加藤　優弥（かとう・ゆうや）2002年（平14）5月29日生まれ、愛知県清須市出身の18歳。西枇杷島小2年のとき「西枇ベースボールクラブ」で野球を始め、西枇杷島中では津ボーイズ（三重）に所属。金沢龍谷では2年春からベンチ入り。1メートル75、78キロ。右投げ右打ち。