東京ドーム“新様式”100億円大改修へ 大型ビジョン3.6倍拡張 22年までに完全キャッシュレス化

[ 2020年7月21日 05:30 ]

東京ドーム
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 巨人と東京ドームは20日、東京都内のホテルで記者会見を行い、28日から今季初めて観客を入れて試合を行う東京ドームの新型コロナウイルスの感染防止対策を発表した。換気量をこれまでの1.5倍に高め、コンコースには大型送風機を30台設置。23年の開幕に向けては大型ビジョンを約3.6倍に拡張するなど、総額100億円の設備投資を行う。

 会見で巨人・山口寿一オーナーと、東京ドーム・長岡勤社長が声をそろえた。「世界トップレベルの清潔、安全、快適なスタジアムを目指す」と。「コロナ時代」の大改修案を打ち出した。

 23年の開幕に向け大型ビジョンを横幅34メートルから126メートルへ段階的に約3.6倍拡張。国内スタジアムでは最大となる。今村司球団社長は「“熱狂声援型”から“快適体感型”へ観戦、応援形式も変わってくる」と説明した。今季は飛沫(ひまつ)を伴う大声での応援が禁止された。近未来、球場はド迫力映像と音声に包まれ、最先端のデジタル技術で情報まで発信。野球観戦は「体感するもの」へと変貌する。

 新たな観戦様式確立へ、デジタル化を推し進める。22年までに球場での完全キャッシュレス化。売店での決済時間は短縮され、混雑は緩和される。スマホチケットと自動ゲートが21年から導入され、係員の「もぎり行為」は全廃。接触が回避され、行列も緩和される。

 まず今季。コンコースに空気の滞留を解消するための大型送風機を30台設置した。名前などを登録して、感染者との接触があったかを追跡するシステム「東京ドームアラート」も導入。来季は女性用トイレを1.6倍増、洗面台を約3倍増。また混雑緩和のため立ち見席を廃止し、コンコースを拡張する方針だ。

 当初、8月1日以降は収容人数の50%弱となる1万9000人を検討していたが、東京での感染者の増加に伴い、上限5000人を維持して推移を見守る。換気量は安全のため1.5倍に高め、今村社長は「プリーズ、ブリーズ(風を感じてほしい)」と有観客開幕戦を心待ちにした。(神田 佑)

 ≪社長明かした「坂本の涙」≫今村社長は坂本との会話を紹介し、ファンへ感謝の気持ちを述べた。球場に戻った観客の、シートノックでの歓声や温かい拍手に「勇人選手は涙が出たそうです」と主将が涙したエピソードを明かした。「“ファンが身近にいてくれるありがたみを改めて痛感しました。喜びをかみしめながら必死にプレーしています”と(話していた)。凄く考えているなと思いました」と振り返った。

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