エンゼルス大谷“圧投的”ストライク率だ!5回相当を初零封6奪三振 開幕へ準備OK

[ 2020年7月21日 02:30 ]

実戦形式で登板したエンゼルス・大谷は5回相当を投げて無失点の好投を見せた
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 二刀流復活へ、万全仕上げだ。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が19日(日本時間20日)、エンゼルスタジアムで行われた紅白戦(特別ルール)に先発。開幕前最後の実戦登板で5回相当を投げ、5安打無失点で毎回の6三振を奪った。62%までストライク率を上げ、課題の変化球でも5三振を奪うなど手応えをつかんだ。開幕3戦目となる26日(同27日午前5時10分)のアスレチックス戦で右肘手術からの復帰登板を果たす。 

 オンライン会見で見せた笑顔が全てを物語っていた。開幕前最後の実戦登板。毎回の6三振を奪い、ホームを踏ませなかった大谷は「投げるたびに良くなっている。全体的に進歩している」と納得の表情だった。本来の姿に近づいたと実感できたのはなぜか。数字が物語る。

 ストライク率の劇的向上 打者22人への73球中、ストライクは45球。過去2試合は打者25人に12四死球と制球に苦しんだが、ストライクゾーンで勝負できた。初登板からストライク率は30%→41%→62%と上昇。カウントを取る直球も追い込んでからの直球もコースに決まった。自身の最速は165キロ。この日の球速は不明で「100マイル(約161キロ)を何球も投げている感覚はない」と言いつつも「指にしっかり掛かった球もあった」と好感触を口にした。ストライク率62%は右肘手術前の2年前のシーズンと同じだった。

 ブランクを埋めてきた。制球が改善された理由は「前々回より前回の方が強度も球数も多くなっていたので。それは今回も言える。打者にも慣れてきた」。場数を踏み、球数も50→64→73と増えた。試合前のブルペン投球後には「壁当て」で入念に調整。力まずリリース時に力を入れる本来の腕の振りを取り戻した。右肘に負担をかけないテークバックを小さくしたフォームにもなじんできた。

 課題の変化球で5奪三振 打者15人に5四死球を与えた前回、「決めにいった時の変化球が抜けた」と言った。この日は前回登板で左翼線二塁打を浴びた若手有望株の外野手アデルから2三振。スプリットから直球、直球からスプリットの必殺パターンだ。全6奪三振中、スライダーで2、スプリットで3奪三振と自在に変化球を操り「投げ心地的には前回より全然良い」と振り返った。

 「サンデー大谷」の利点 いざ、本番。2年ぶりに二刀流を復活させる大谷は登板日程のメリットも口にした。公式戦初登板は日曜日の26日アスレチックス戦。60試合制の今季はオフが6日あり、半分の3日が月曜日だ。「サンデー大谷」は全てデーゲーム登板で「トータルで考えた時に一番回りやすい。日曜日はデーゲームで、次の日はオフ。そういう意味でも登板後の時間、打つまでの時間を空けられる」とうなずいた。全ての準備が整った。(アナハイム・奥田秀樹通信員)

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