阪神・藤浪、23日今季初登板初先発 663日ぶり白星へ「空回りせず、力みすぎず」

[ 2020年7月21日 05:30 ]

投内連係の練習を行う藤浪(撮影・北條 貴史)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(26)が20日、甲子園球場での投手指名練習に参加し、23日広島戦での今季初登板初先発に備えた。新型コロナウイルス感染や練習遅刻による懲罰降格、右胸の故障など紆余曲折をへて8年目が待望の“開幕”。18年9月29日の中日戦を最後に遠ざかる白星をつかみ、逆襲の第一歩を刻みたい。

 やっと、そして、ついに始まる8年目。藤浪は高まる周囲の期待をよそに冷静に前を見据えた。

 「初登板になりますが、空回りせずに、いつも通り試合に入っていけたら。気合は入りますが、力みすぎずに、臨みたい」

 道のりは長く険しかった。3月下旬に新型コロナウイルスに感染して離脱。回復後の5月中旬に一度は1軍合流しながら、練習に遅刻したことが原因で懲罰降格を命じられた。

 再出発を期した6月3日のソフトバンクとの2軍練習試合では軽度の右胸筋挫傷。プロ野球の開幕日だった同19日に日本生命とのプロアマ交流戦で実戦復帰し、以降はウエスタン・リーグ3試合で計15回無失点の結果を残し、自らの手で昇格をつかんだ。

 「全体的に良い状態ではあるので、これまでやってきたことを試合で出せるようにやりたい」

 広島戦の登板は18年9月22日以来、2年ぶり。特に意識したのは鈴木誠だ。侍ジャパンの4番にまで駆け上がった同世代とは通算打率・391(23打数9安打)が残る。2月のオープン戦でも1打席(中犠飛)だけ対戦。好敵手から望まれた再戦の到来を「うれしい。見応えのある勝負ができたら」と心待ちにした。

 チームは最大「8」あった借金を返済し、3位まで上がった。さらなる浮上へ、新たな推進力として矢野監督から寄せられる期待も大きい。「やってやるという気持ちがあると思うし、その気持ちをぶつけて投げてもらえればと思う」。初の未勝利に終わった
昨季からの逆襲へ、本当の意味でスタートラインに立った。

 甲子園球場での投手指名練習ではキャッチボールやランニングなどで調整し、初登板に備えた。今回の広島3連戦では特別企画としてファンからの“リクエスト曲”で各選手が登場。背番号19にちなみ、「19(ジューク)」の「あの紙ヒコーキ くもり空わって」に決まった。「背番号と同じアーティストの曲。楽しんでもらえれば」。約1カ月遅れの開幕。多くの人々が待っていたマウンドに上がる。18年9月29日以来、663日ぶりの白星へ機は熟した。(長谷川 凡記)

 ◆藤浪の今春からの経過
 ▼3月26日 PCR検査で新型コロナウイルス感染が判明。翌27日に入院。
 ▼4月7日 退院し自宅待機。球団を通じて謝罪談話を発表。
 ▼23日 甲子園球場の施設内で会見し謝罪。
 ▼24日 鳴尾浜での自主練習開始。
 ▼5月24日 甲子園でのシート打撃で打者5人を無安打、4者連続で空振り三振を奪う。
 ▼28日 1軍練習に遅刻し、翌日2軍降格。
 ▼6月3日 2軍練習試合ソフトバンク戦で右胸の張りを訴えて2回0/3緊急降板。
 ▼12日 鳴尾浜のブルペンで投球練習再開。
 ▼19日 日本生命とプロアマ交流戦。救援で1回1安打無失点。
 ▼26日 ウエスタン・ソフトバンク戦。先発で3回1安打無失点。最速157キロ。
 ▼7月5日 ウエスタン・中日戦。先発で5回無安打無失点。最速153キロ。
 ▼16日 ウエスタン・オリックス戦。先発で今季最長の7回を4安打7奪三振の無失点。最速157キロ。
 ▼18日 矢野監督がテレビ番組で23日広島戦での先発起用を明言。
 ▼19日 1軍練習に合流。

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2020年7月21日のニュース