【2020MLB見どころ】79年ぶりの4割打者誕生なるか 特別ルールがプラスに働く球団も

[ 2020年7月21日 05:50 ]

1941年にレッドソックスで打率4割台をマークしたテッド・ウィリアムズ(AP)
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 予測不能の2020年大リーグが23日(日本時間24日)に約4カ月遅れで開幕する。本来の162試合制から60試合に減らし、9月27日(同28日)まで実施。コロナ禍に対応するために、初のタイブレーク制導入、両リーグDH制など、これまでとは違った戦いが見られることになる。異例の超短期シーズンを制するチームはどこか?79年ぶりの4割打者誕生は?今季の大リーグは何が起きるか分からない! (大リーグ取材班)

 ――4割打者は生まれるか?

 最後に打率4割をマークしたのは、1941年のテッド・ウィリアムズ(レッドソックス)で、打率.406。2000年以降、開幕60試合時点で打率4割をマークしたのは、08年に.408だったチッパー・ジョーンズ(ブレーブス)1人だけと、依然として高い壁であることには変わりはない。過去10年で見ると、最高打率は昨季のベリンジャー(ドジャース)の.376。大リーグ公式サイトは、4割打者の最有力候補に昨季3度目のMVPに輝いたエンゼルスのトラウトを挙げている。

 ――本塁打王は20本台勝負か?

 大リーグの歴史でチーム60試合の期間で最多の本塁打を放ったのは、01年のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)の35本。開幕からの60試合で見ても、30本以上は同年のボンズ1人しかいない。20本台のキングとなれば、ア・リーグの81年(22本=4選手)以来39年ぶり。昨季、最初の出場30試合で14本塁打と爆発したレッズの新星アキーノのようなニューヒーローにも期待だ。

 ――スタートダッシュ失敗は致命的

 昨季はナショナルズが、球団創設初の世界一に輝いたが、開幕60試合終了時点では27勝33敗、借金6の地区4位だった。そこから奇跡的な巻き返しで、頂点にたどり着いたが、それも162試合制だからこそ起きたドラマ。昨季、開幕60試合時点で最多の勝ち星を挙げたのは、ドジャースで41勝19敗の貯金22。今季は出遅れは絶対に許されない。

 ――特別ルールがプラスに働く球団は

 今季はナ・リーグもDH制が採用される。昨季38本塁打のカブスのシュワバー、故障明けのメッツの大砲セスペデスはいずれも守備に難があり、起用法が注目されていたが、DHに収まる可能性が高い。選手層が厚いドジャースにも有利に働くとみられる。また、延長戦は無死二塁で開始するタイブレーク制のため、知将で知られるエンゼルスのジョー・マドン新監督の奇策にも注目が集まる。

 ――無観客はアストロズに好都合?

 大リーグ最多記録となる3年連続でシーズン100勝以上を挙げているアストロズは、オフのサイン盗み問題でダーティーなイメージがついてしまった。敵地で大ブーイングが予想されていたが、当面は無観客開催となったことで、選手が平常心で戦えるのは大きい。ただ、2、3月のオープン戦では主力が意図的とみられる死球を受けた。今季は乱闘は禁止となったが、火種は残っているようだ。

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2020年7月21日のニュース