西武・山川の「ライト方向はたまたま」にホッ

[ 2020年6月14日 10:30 ]

<西・ロ>6回無死二塁、右中間に2ランを放ち、どすこいポーズの山川(撮影・吉田 剛)
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 3年連続本塁打王を狙う西武の山川穂高が、13日の練習試合・ロッテ戦で、6回に右中間2ランを放った。

 今季初の右方向弾。春先からのオープン戦、練習試合26試合で8本目のアーチとなった。内訳は左翼4本、左中間2本、中堅1本、右中間1本。全て豪快な当たりだったが、13日の一発には「ライト方向に飛んだのはたまたま」と話した。

 記者はこのコメントにホッとした。春季キャンプ。話題の中心は「打撃フォーム改造&右方向への本塁打」だった。18年47本、19年43本も目標の50本に届かず。昨季の右へのアーチは2本のみで、「落合(博満)さんもバレティンも、50本を超す選手は右方向にも打つ」と大台クリアへテーマを設定。新境地への決意を感じた。

 改造では、左足を大きく上げてから球を捉えた打撃フォームを封印。左足の上げ幅を小さくし、コンパクトなスイングでミート力を高めた。そしてキャンプのシート打撃で、右翼ポール際に放ち「(ペイペイドーム)テラス席でしょ」と笑顔も見せた。

 だが、コロナ禍で試合数は143試合から120試合に減った。短期決戦なので、好不調の波は少なくしたい。新テーマに挑むには、難しいシーズンになった。山川も目標を「(本塁打数は)40近く」に変更。冷静だ。

 それならば、狙いを左方向一本に絞り今季を豪快に駆け抜けてほしい、と記者は思っている。40本すべて左方向でいい、と。

 だから「たまたま」にホッとした。10日の中日戦後には「(右に)打ちたいですけど、うーん何て言えば…。あくまでセンター方向に打つつもりで、右に打つのは年に何回かですね」と話してもいた。春先ほど右へのこだわりも感じない。

 今年は単純明快に。山川の代名詞、豪快に引っ張ったアーチこそ、難局下でも声援を送る獅子党に響くメッセージとなる。「飛ばせ山川穂高、レフトの先へ果てしなく」。これが率直な記者の思いだ。(記者コラム・大木 穂高)

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2020年6月14日のニュース