巨人・若林“走快”サヨナラ呼んだ父の教え「隙あらば先の塁を狙え」

[ 2019年7月4日 05:45 ]

セ・リーグ   巨人7―6中日 ( 2019年7月3日    東京D )

9回無死一塁、二盗を成功させる若林(撮影・木村 揚輔)
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 父仕込みの走塁が、今季2度目となる巨人のサヨナラ勝ちを引き寄せた。6―6の9回、先頭の若林が8球粘った末に四球を選ぶ。「何がなんでも出る」と執念で出塁した背番号60は、左腕ロドリゲスの初球に臆することなくスタート。「行けたら行けのサイン。弱気にならないように」と強気に二盗を成功させた。

 50メートル5秒8の俊足で守備陣にプレッシャーをかけると、増田大のバントを三塁手・高橋が一塁へ悪送球。すかさず一気に本塁まで生還し、笑顔で重信と抱き合った。リードするチームが6度も入れ替わる球団史上5度目の「六転試合」に決着をつけた。

 父・憲一さん(66)は大洋(現DeNA)でプレーした元プロ野球選手。現役時代は代走として活躍した。野球を始めた幼少時代から若林は「隙あらば先の塁を狙え。弱点を見つけて、そこをつけ」と叩き込まれた。その教えをプロの舞台で見事に体現。「(投手に)バントのケースが頭にあったと思うので、クイックも緩んだり、隙も出てくる場面」と冷静な思考で盗塁を決めた。

 原監督が「一発横っ面をひっぱたかれないと点数が入らないような」と言った均衡した展開で、3回に左中間二塁打し、7回には右前打。最後に足で4連勝を呼び込んだ2年目の25歳は「(二盗を)初球で決められたのは見事」と称えられた。2位・広島とのゲーム差は5。いよいよ首位固めに走る。(青森 正宣)

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