巨人・阿部“慎撃”特大弾!ON以来の400号へ視界良好

[ 2018年3月4日 05:30 ]

オープン戦   巨人6―5ヤクルト ( 2018年3月3日    東京D )

2回一死、先制ソロを放つ阿部
Photo By スポニチ

 巨人・阿部慎之助内野手(38)が3日、ヤクルト戦の2回にオープン戦1号を放った。右翼席最上段への特大の先制ソロ。今季の東京ドーム初戦の初打席で、実戦初アーチをマークした。球団では王貞治、長嶋茂雄の「ON」以来、史上3人目となる通算400本塁打まで残り12本。若返りを図るチームの中で、最年長の主砲が健在ぶりを強烈にアピールした。

 初ものだらけの打席だった。2回の第1打席。阿部は2ボールからのファーストスイングで、ブキャナンの146キロ直球を右翼席最上段に運んだ。東京ドームでの今季初戦。今季初アーチはチームの本拠地1号となった。

 「真っすぐをしっかり打ち返すことができた。やっと前に飛んでくれた」

 今季初めての足の上げ方だった。キャンプでは右足をスッと上げ、一本足のような打撃フォームを試してきた。軸足にしっかりと体重を乗せるためだったが「打席に入って投手の球が速かった。足を上げていたら間に合わない」と、足の上げ幅を即座に小さくした。速球で押し込む外国人投手への対応策だ。

 シーズンを見据えた決断でもあった。反則投球だった2段モーションが今季から解禁。「2段モーションもOKということを考えたら、足を上げていたら逆に難しくなる」と、投手にスパイクの裏を向けるように右足を小さく上げるフォームに変更。「しっかり振り抜けた。若い子よりはたくさん場数を踏んでいるから」と言った。

 プロ18年目で初めての立場にいる。20日に39歳を迎える阿部。昨季限りで相川が引退し、チーム最年長になった。スタメンには岡本、吉川尚、田中貴、重信とフレッシュな面々。新人4人も途中出場で結果を出した。「気持ちで負けないようにした。プレーで見せることができればいい」と言う通り、手本が凝縮された打席だった。

 対外試合6試合目で初勝利。若返りを図る中で開幕先発は保証されていないが、健在ぶりを示し、高橋監督も「技術はもう分かっている。あとはコンディション」と評した。

 通算400本塁打にあと12本に迫っている。球団ではONしかいない偉業に挑むシーズンが始まる。「元気にオープン戦を迎えることができた。(開幕戦を)いい体調で迎えられたらいい」。頼もしいベテランがいるから若手も育つ。ベンチの最前列で声を張り上げる姿は、どこか初々しかった。 (神田 佑)

続きを表示

2018年3月4日のニュース