“世界の千賀”6連続K「まぐれが起きた」新球真横スライダーに手応え

[ 2018年3月4日 05:31 ]

侍ジャパンシリーズ   日本2―0オーストラリア ( 2018年3月3日    ナゴヤD )

2回2死、デサンミゲルをスライダーで見逃し三振に打ち取り6連続奪三振の千賀
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 侍ジャパンは3日、ナゴヤドームでオーストラリア代表との強化試合第1戦に臨み、2―0で勝利した。先発の千賀滉大投手(25=ソフトバンク)は2回を完全投球。打者6人全員から三振を奪い、6投手による完封リレーを演出した。2020年東京五輪で金メダルを目指す稲葉篤紀監督(45)にとって就任後初めて年齢制限なく編成して臨んだ試合。昨春のWBCで活躍した「世界の千賀」が輝きを放った。

 立ち上がりから5者連続三振を奪い、迎えた2回2死。千賀が右打者のデサンミゲルに投じた4球目のスライダーは三塁線への際どいファウルになった。

 「球場のため息が聞こえた。僕もフェアかと思った」。続く5球目。甲斐のサインに首を振った。132キロのスライダーを外角に決め、見逃し三振。予定の2回を投げ、アウトは全て三振で奪った。

 「もう一回、決めにいこうと思った。(6連続奪三振は)狙おうと思って、取れて良かった。まぐれが起きたなと。出来過ぎです」

 昨春のWBCでは4試合に登板して計11回で1失点の防御率0・82。日本勢で唯一のポジション別優秀選手に選ばれた。シーズンでも自己最多の13勝を挙げたが、さらなる高みを目指すため、今春の宮崎キャンプではスライダーの改良に着手した。昨年までは斜めに曲がりながら落ちる軌道だったが「横も使えたら面白くなる」と、真横に滑る変化を求めた。地元・愛知での凱旋登板で「新球」に手応えをつかんだ。

 最速152キロの直球で4つ、自身の代名詞でもある「お化けフォーク」で1つの三振を奪った。「(昨年の)WBCではチームで唯一の負け投手になった。またチャンスをもらったので、自分の投球をしようと思った」と28球に思いを込めた。

 稲葉監督は「さすがというか、この時期ですが、しっかり調整してくれた」と絶賛。敵将のスティーブン・フィッシュ監督も「さらに進化するだろう。メジャーでも十分やれる」と脱帽した。

 3月30日の開幕、オリックス戦(ヤフオクドーム)では育成選手出身で史上初の開幕投手を務める。20年の東京五輪では菅野とともに投手陣の軸として期待が懸かる右腕は「代表の試合で足を引っ張らないように。(五輪では)名前が挙がるように」と謙虚に締めた。 (川島 毅洋)

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2018年3月4日のニュース