大谷、8アウト全部K!イニング間“壁当て”効果で制球改善

[ 2018年3月4日 05:30 ]

練習試合   エンゼルス―ブルワーズ ( 2018年3月2日 )

ブルワーズとの練習試合で力投する大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(23)が2日(日本時間3日)、マイナー選手中心のブルワーズとの練習試合に先発し「オール奪三振ショー」を演じた。特別ルールで行われ、2回2/3を4安打2失点ながら、8アウトを全て三振で奪った。イニング間はブルペンで「壁当て」を行うなど、独自調整も披露。異例の2日連続ブルペン入りで臨んだ二刀流が、2度目の実戦登板で進化を見せた。

 異例の光景だ。初回、そして2回を投げ終わると、大谷は三塁ベンチから左翼後方ファウルゾーンのブルペンへ向かった。1、2、3球…。スタンドの壁に向かって投げた。

 「今日はたまたま(ベンチ裏に)ネットがなかったのでああいう形でやった。自分たちの球場(テンピ)にいけばある。(今後も)ネットスローの一環としてやれれば」

 効果絶大だ。3回、先頭テーラーを151キロ直球、ヒウラをスライダーで空振り三振。最後はフランクリンをカーブで見逃し三振に斬った。「3イニング目はカウント球の変化球をしっかりコントロールできた」。特別ルールのため、2死で切り上げた2回の先頭から5者連続三振。不運な打球も重なって4安打2失点だが、8個のアウトを全て三振で奪った。

 日本と異なり、ベンチ前でイニング間のキャッチボールは禁止。実戦初登板だった2月24日のブ軍とのオープン戦は1回1/3を2失点。イニング間の準備ができず、制球は乱れた。2回の先頭に対しての球速も約10キロ落ちて一発を浴びた。

 今回は違った。日本ハム時代から試合前に行っていた「壁当て」を取り入れた。肩を温めてマウンドに上がることで、球威も落ちない。登板前日には異例の2日連続ブルペン入り。メジャーでは練習メニューを管理されるが、エ軍では大谷流が最大限尊重されている。マウンドを確認し、「傾斜はちょっと(日本より)強い。正しく投げれば軽く投げてもそれなりの球が行く」と感覚をつかんだ。

 最速156キロを計測したが、光ったのは52球中17球投じたスライダーだ。前回は1球もストライクが入らなかったが、捕手のリベラも「切れのあるスライダーで(3つ)三振も取れた」と称賛した。

 次回登板は4、5イニングで65〜70球の予定。打者出場は4日(日本時間5日)のロッキーズ戦になる見込みだ。「毎日、試合があったり練習があったりする。慣れないけど丁寧に順序よく来ている。このリズムでやりたい」。試合後の大谷は車で約25分のテンピに戻ると、すぐにウエートルームに向かった。 (柳原 直之)

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2018年3月4日のニュース