阪神・大山 今度は遊撃挑戦「やるからにはモノにしたい」

[ 2017年11月14日 05:48 ]

久慈コーチ(右)の前で軽快な守備をみせる大山
Photo By スポニチ

 阪神の安芸秋季キャンプ第3クール3日目となる13日、大山悠輔内野手(22)が今キャンプで初めて本格的な遊撃の守備練習を行った。持ち味の打力を生かすため、複数のポジションに挑戦中だが、国内フリーエージェント(FA)権を行使する大和が他球団へ流出する可能性もあり、遊撃手も候補の一つ。虎の未来を担う大器がさらなる進化を目指す。

 夕暮れのサブグラウンドが「名ショート養成道場」と化した。ノックを打つのは平田チーフ兼守備走塁コーチ。左右から鋭い視線を送るのが久慈内野守備走塁コーチと藤本2軍守備走塁コーチ。往年の名手による3人掛かりの手ほどきを、一身に受けたのは大山だった。

 「幅を広げる練習でもあると思うので。ショートをやることでいろんな動きもできる。数を受けて慣れるのが一番なんで、いっぱいやっていきたい」

 今秋のキャンプでついに「遊撃・大山」が解禁された。非凡な打力を生かすためのポジションを模索中で、ここまでは一、三塁に加え、二塁の守備を重点的に鍛えてきた。それをこの日から遊撃にシフト。投内連係やケース打撃でも主に遊撃に入り、個別練習では単身、特守に励んだ。

 「このキャンプでは予定はなかったんだけどね。でも、だいぶん二塁も慣れてきて、だいぶん様になってきたらしいからショートもやらせておこうかというコーチの提案でね。やっておくに越したことはないでしょう」

 金本監督が狙いを明かした。今季の1軍戦ではなかったが、2軍では1試合に遊撃手で出場。高校時代は投手兼遊撃手だった。久慈コーチは「今いるメンバーの中で肩が強いのはアイツ。それを生かせるようにいろんなポジションをやらせようと。守りがあればレギュラーを獲れる選手だから」と説明。平田コーチも「まだまだだけど、このキャンプで手応えをつかんでレベルアップしてくれれば」と期待した。

 大和がFA権行使を決断し、流出する可能性は否定できない。球団は全力で慰留する方針ながら、移籍となれば正遊撃手は空位となる。チームにとっては危機的状況でも、大山にとってはチャンスだ。「やるからにはモノにしたい」。華のある大型遊撃手の誕生の予感が漂ってきた。(山添 晴治)

続きを表示

2017年11月14日のニュース