ラミDeNAも逆転“下克上”!嶺井殊勲打 突破率0%覆した

[ 2017年10月18日 05:30 ]

セCSファーストステージ第3戦   DeNA6―1阪神 ( 2017年10月17日    甲子園 )

スタンドへあいさつするラミレス監督(中央左)、筒香(中央右)らDeNAナイン
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 DeNAが阪神を6―1で下し、2勝1敗として2年連続のファイナルステージ進出を決めた。初回に嶺井博希捕手(26)の2点適時打などで3点を先制。昨季の巨人とのファーストS第3戦で決勝打を放った男がまた殊勲の一打を放った。パの同じ3位・楽天とともに初戦黒星からの逆転突破。18日に開幕するファイナルステージでは、昨季敗れたリーグ覇者・広島への雪辱を目指す。

 甲子園に鳴り響く現役時代からの応援歌。ラミレス監督は満面の笑みを浮かべ、左翼席上段に陣取るDeNAファンに手を振った。

 「選手たちがネバーギブアップの精神で決して諦めることなく戦った。これがベースボールだと思う」。第1戦黒星からの逆転突破。セ・リーグではCSが導入された07年以降、ファーストSで先勝した2位球団が全てファイナルSに進出していたが、ついに「突破確率0%」を覆した。

 セCS初の雨天中止から仕切り直しの第3戦。指揮官は先発捕手を第2戦の戸柱から第1戦先発の嶺井に戻した。引き分けでも敗退が決まる状況で選んだのが、4年目捕手だった。初回に1点を先制し、なおも1死満塁。嶺井が「ゲッツーかと思ったけど、いいところに飛んでくれて良かった」と三遊間を破る2点打を放った。勝利をたぐり寄せる貴重な追加点に、指揮官は「嶺井のヒットも出て、初回が本当に大きかった」と振り返った。

 昨年の再現だ。巨人とのファーストS第3戦。途中出場して延長11回に決勝打を放ち、ファイナルS進出を決めた「持ってる男」だった。今年2月の春季キャンプ。指揮官はMVPに嶺井を選んだ。「勝負強い打撃ができている」。守備力に加え、打撃も成長している姿に期待し、嶺井も大一番で再び応えた。守ってもウィーランドを好リードで引っ張り、攻守で輝いた。

 就任2年目。どんなに不振でもレギュラーを信じる頑固さに、柔軟性も加わった。昨季は戸柱を110試合で先発起用し、嶺井は1試合もなかった。だが、今季は戸柱が90試合で嶺井が34試合。勝負の9月、10月に限れば、戸柱の9試合に対して、嶺井は11試合と逆転していた。「結果を出している選手を使う」とラミレス監督。2人の捕手を巧みに使い分けた結果が、この日の白星につながった。

 3位からの2年連続ファイナルS進出は両リーグを通じて史上初。この勢いを広島にぶつける。昨季は1勝しかできなかったが、今季のレギュラーシーズンでは13勝12敗とセ5球団で唯一勝ち越した。「リベンジという言葉を使うより、我々のチームは去年より良くなっている」とラミレス監督。広島に勝つイメージはできている。 (中村 文香)

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