【東東京】都三商 30年ぶり夏1勝!死球退場の危機乗り越え部員9人で歓喜の涙

[ 2017年7月10日 17:02 ]

第99回全国高校野球選手権東東京大会2回戦   都三商5―2都つばさ総合 ( 2017年7月10日    明大球場 )

東東京2回戦。30年ぶりに夏勝利を挙げた都三商の高橋投手(左)と主将の神尾捕手
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 都三商が1987年以来30年ぶりに夏の地区大会で1勝を挙げた。今春のセンバツに不来方(岩手)が部員10人で出場し、話題になったが、都三商は9人ジャスト。病気もケガもできない状況で念願の1勝をもぎとった。

 最大のピンチは5回だった。無死一塁、1番で主将の神尾捕手がバントの構えをしたところ、都つばさ総合・岩崎投手の投球が顔面に。昏倒した神尾がベンチに下がり、臨時代走が起用された。果たして6回の守備に就けるのか?清水隆監督が「大丈夫か?」と声をかけると神尾は「大丈夫、行けます!」と、ボールが当たった口の周囲を冷やし、6回からもマスクをかぶった。

 エース左腕・高橋も「一昨年、昨年と、この明大球場で負けているので、今年こそと思っていた。スライダーがよかったので抑えてやろうと思っていた。7回くらいから勝ちを意識していて、それを抑えていたので勝った瞬間、一気に噴き出てしまいました」と号泣。それを見た神尾も号泣と、初めてのうれし涙を流した。

 神尾は「顔にデッドボールは初めて。(監督に)大丈夫か?って聞かれたけど、9人しかいないんだから出るしかないですよね。口の周りはまだ感覚ないです」と笑った。30年前に勝利した羽田工の流れをくむ都つばさ総合。今年28歳、監督1年目の清水監督も「僕の生まれる前の話ですからね。まあ選手がよくやってくれたのと、OBの皆さんが応援してくれたおかげです」と頭を下げた。

 イニング間などの捕手の道具付けも清水監督、松尾繁樹助監督が手伝い、スコアは清家亮部長が付ける。全員一丸となって負の歴史にピリオドを打った。「初戦敗退ばかりだったから、次があるっていいですねえ」と言う神尾の言葉がすべてを表していた。

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2017年7月10日のニュース