巨人・坂本勇 通算1500安打達成 28歳6カ月は右打者史上最年少

[ 2017年7月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―7阪神 ( 2017年7月9日    甲子園 )

<神・巨>9回2死一、三塁、坂本勇は左前に適時打を放ち、通算1500安打を達成
Photo By スポニチ

 巨人の坂本勇人内野手(28)が9日、阪神戦の9回に同点の左前適時打を放ち、プロ野球史上123人目の通算1500安打を達成した。28歳6カ月での到達は、榎本喜八(東京)の27歳9カ月に次ぐ歴代2位、右打者では史上最年少記録となった。しかし、その裏にサヨナラ負けを喫し坂本勇のメモリアルデーを白星で飾ることはできなかった。

 六甲おろしの大合唱が聞こえるベンチ裏の通路。坂本勇に悔しさとうれしさが交じる。

 「勝ち負けは仕方ない。速い球に打ち負けないように思って打席に立った」。3点を追う9回に1点差に詰め寄り、なお2死一、三塁。初球からバットを指1本分短く持った。ドリスが4球連続投じた155キロツーシームを左前に引っ張った。土壇場で同点の適時打。サヨナラ負けはしたが「自分一人の力でやってきたわけではない。感謝の気持ちを忘れずに1本ずつ増やしていきたい」と言った。

 28歳6カ月で右打者では史上最年少の通算1500安打。地元・兵庫の甲子園で到達した。プロ入りから11年、本塁打を放つたびに地元からメールが届く。「バンザイ!100点満点」「かっこよかったぞ」。中学時代から、プロ入り後も通っていた尼崎市の「理容店マロ」を夫婦で営む芹川敏恵さん(65)と寛行さん(67)からだ。サイン色紙「第1号」が飾られている同店。年末年始に足を運び、応援に駆けつける2人を見つけるとグラウンドから「ありがとう!頑張るよ」と手を振る。この日の試合後も祝福メールが届いていた。今でも地元への感謝は忘れない。

 「初ヒットは特別鮮明に覚えている」。1年目の07年9月6日、中日との首位攻防戦。「緊張で頭が真っ白だった」と12回2死満塁で送り出され、18歳は中前へ決勝の2点打を放った。勝負強いからこそ、球界のスターに上り詰めた。当時の自分を「細かったなー」と振り返るが、実は約4キロしか体重は変わっていない。筋肉の質を上げることで、世界に通用する幹の太い体をつくった。高橋監督も「勝負強さだけでなく体の強さ、技術が備わっている」と称した。

 もちろん、次の目標は通算2000安打だが「いや、それは。一本一本打てるように頑張ります」と一打席を大切にする。年少記録は榎本喜八が持つ31歳7カ月で、28歳の坂本勇にとって3年後となる。(神田 佑)

 ≪球団でも王超え最年少≫坂本勇(巨)が9日阪神戦の9回にドリスから左安打を放ち、通算1500安打を達成した。プロ野球123人目、チーム10人目。初安打は07年9月6日の中日戦で高橋から。出場1354試合目での1500安打到達は歴代16位のスピードながら巨人では川上1241試合、長嶋1273試合に次ぐ早さ。また28歳6カ月は、64年榎本(東京)の27歳9カ月に次ぐ歴代2位の年少達成で、70年王の30歳4カ月を下回る球団最年少記録になった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月10日のニュース