立大５９年ぶり日本一！長嶋さんも来た歌った「うれしかった」

全日本大学野球選手権最終日   立大９―２国際武道大 （ 2017年6月11日    神宮 ）

５９年ぶり４度目の優勝を果たし、喜ぶ中川（中央）ら立大ナイン
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　全日本大学野球選手権決勝が行われ、立大（東京六大学）が国際武道大（千葉県大学）を下して１９５８年以来５９年ぶり４度目の優勝を飾った。５７年の優勝メンバー、長嶋茂雄氏（８１＝巨人終身名誉監督）が応援に駆けつけた中、１点を追う初回に大東孝輔内野手（４年）の３ランなどで一挙５点。１０安打９得点で圧倒した。大東は最高殊勲選手に選ばれた。

　レジェンドの前で栄冠を勝ち取った。優勝を決めて応援席へ一礼したナインは、続けてバックネット裏にも脱帽した。視線の先には長嶋氏。貴賓席から万感の表情で左手を振る大先輩の姿があった。朝に来場を聞いていた溝口智成監督は「良い試合をお見せできてほっとした」と笑った。

　１点を先行された初回。球場入りした長嶋氏が着席した途端、準決勝まで打率・１９８だった打線が火を噴いた。一挙５点の逆転劇。山根の２点打に続き、１死一、二塁から６番・ＤＨの大東が初球を左翼席へ運んだ。

　３ランに、偉大なＯＢがうなる。「大東君ね。あの打球はプロ野球でも見ないような打撃。素晴らしかった」。大東は小学生の頃に長嶋氏の伝記を読んで憧れ、立大に進学した。「長嶋監督の前で打てたなんて奇跡」と言い、賛辞を伝え聞くと「うわあ…すごくうれしい」と感激した。

　長良（岐阜）から指定校推薦で立大へ。入学時は甲子園組の同級生が１軍で練習するのを横目に、雑用係をこなす日々だった。今春リーグ戦は控えで代打要員。ＤＨ制の今大会に懸けていた。「社会人でも野球をやりたいので、結果を出して貢献したかった。誰よりもバットを振った自信はあった」。２回戦・富士大戦の同点２ランに続く大会２号で、最高殊勲選手に輝いた。

　卒業後初めて神宮で母校を応援した長嶋氏は「うれしかった。僕も一緒に（校歌を）歌ったりした」。５７年の優勝を思い出し「あの時も投打にわたって良かった。杉浦もいたし、本屋敷もいた」と目を細めた。「もっともっと高い所に行ってほしい」。次なる期待は黄金時代の再来だ。

　９９年秋以来のリーグＶに続き、一段と長い半世紀以上のブランクを埋めた全国制覇。歴史に名を刻んだナインはきょう１２日、地元・池袋でパレードを行う。　（松井　いつき）