108年ぶり世界一へカブス逆王手 ラッセル満弾だ6打点

[ 2016年11月3日 05:30 ]

ワールドシリーズ第6戦 ( 2016年11月1日    クリーブランド )

インディアンス戦の1回、2点二塁打を放つカブスのA・ラッセル

 カブスが1日(日本時間2日)、インディアンスとの第6戦に9―3で大勝し、3勝3敗のタイに戻した。決着は2日(同3日)の最終第7戦にもつれ込んだ。アディソン・ラッセル内野手(22)が満塁本塁打を含む6打点。09年の松井秀喜(ヤンキース)らのシリーズ記録に並ぶ活躍で、1908年以来、108年ぶりの世界一にあと1勝とした。

 敵地クリーブランドでもカブスの勢いは続いていた。3回1死満塁、6番・ラッセルが7―0とするグランドスラムを左翼席に叩き込み、早々と勝負をつけた。1勝3敗の崖っ縁からの2連勝で、108年ぶりの頂点がついに見えてきた。

 「記録は今初めて知った。凄く格好いいことだね。明日は新たな歴史をつくるチャンスがある」

 初回には2死一、三塁から、野手がお見合いする幸運な右中間二塁打で2点を挙げていた。「打った瞬間は普通に捕られると思ったけどね」とはにかむ。1試合6打点は、09年の松井秀喜らに並ぶシリーズ記録。ワールドシリーズの22歳での満塁本塁打は、53年のヤンキース往年の名選手、ミッキー・マントルの21歳に次ぐ若さとなった。

 14年7月、サマージャとハメルという2人の先発ローテーション右腕とのトレードでアスレチックスから加入した。カ軍は当時から内野に有望株がそろい、誰もが首をひねった。チームはその後、正遊撃手だったカストロをヤンキースへ放出し、後釜に据えたのがラッセルだった。今季はゴールドグラブ賞の候補に残る好守だけでなく、打っても21本塁打、95打点。球団の判断が間違いでなかったことを証明した。

 移動日だった前夜はハロウィーンで、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ」の仮装をSNSで公開。「大好きな祝日なんだ。家族や友人がいて、重圧を取り除いてくれた」。ヒーローに扮していた男が、紛れもないヒーローに。「明日は重要な局面でしっかり働けるかどうかだ」と22歳は最後に表情を変えた。(奥田秀樹通信員)

 ◆アディソン・ラッセル 1994年1月23日、米フロリダ州出身の22歳。12年ドラフト1巡目(全体11番目)でアスレチックス入り。14年7月にトレードでカブス入りし、昨年4月に大リーグデビュー。大リーグ通算成績は293試合で打率・240、34本塁打、149打点。今季年俸は52万7000ドル(約5400万円)。フィリピン人の母を持つ。1メートル83、91キロ。右投げ右打ち。

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2016年11月3日のニュース