千隼 完投から中1日でまた完投!自身初の全国へ

[ 2016年11月3日 05:30 ]

関東地区大学選手権 ( 2016年11月2日    横浜 )

<中央学院大学・桜美林大>6回2死二、三塁、佐俣の2点適時二塁打に喜ぶ桜美林大・佐々木千

 関東地区大学選手権は2日、横浜スタジアムで準決勝2試合を行い、桜美林大(首都大学1位)と上武大(関甲新学生1位)が明治神宮大会(11日開幕)出場を決めた。ロッテからドラフト1位指名された桜美林大の佐々木千隼投手(4年)は、中央学院大に5安打1失点で完投勝利。ソフトバンク1位指名の創価大・田中正義投手(4年)に1失点完投で投げ勝ってから中1日で再び熱投を見せ、自身初の全国大会出場を決めた。

 9回2死走者なし。121球目で最後の打者を中飛に仕留めると、佐々木千は涼しい表情で整列に加わった。105球で1失点完投した31日の創価大戦から中1日で再び1失点完投。チームを首都大学リーグ加盟8年目で初の全国舞台に導き「本当にうれしい。全国で戦えるのは凄く楽しみ」と目を輝かせた。

 志願のマウンドだった。前日、準決勝で4年生右腕・邑楽(おおら)の先発を考えていた津野裕幸監督に対し、佐々木千は「投げさせてください」と直訴。「大事な試合だったので自分で(明治神宮大会出場を)決めたかった」。中1日での先発は昨秋リーグ戦以来1年ぶり。当時は2試合とも途中降板だったが、今回は一人で投げきった。「(投げたいと)言った以上は情けない投球はできなかった。それが良かった」。最速148キロの直球にスライダーやシンカーを織り交ぜて9三振を奪い、6月の全日本大学選手権で準優勝に輝いた中央学院大を手玉に取った。

 中1日での2戦連続完投を可能にしたのは昨年2月から特別コーチを務める元横浜・野村弘樹氏の存在が大きい。同氏が課す「めちゃくちゃつらい」インターバル走中心の走り込みで下半身が鍛えられ上半身に頼らない投球が可能になった。ネット裏で観戦したロッテの井辺康二スカウトは「硬いフォームだと連投は難しくなるが(佐々木千は)フォームが柔らかいから連投もできる」とうなった。

 明治神宮大会はDH制はなく投手も打席に立つ。都日野以来の打席に「怖いです」と笑ったものの、高校通算33本塁打と打撃も非凡だ。「神宮で勝ち抜くことを目標にやってきたので、一つでも多く勝って優勝したい。柳(明大)と対戦したい」。聖地・神宮でも佐々木千が投打で主役になる。 (原田 真奈子)

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2016年11月3日のニュース